AUD/USDは木曜のアジア早朝、0.7130前後まで上昇した。豪ドルは、国内のインフレ指標が上振れしたことを受けて買われた。
豪3月のCPI(消費者物価指数)は前年比4.6%に上昇し、前月の3.7%から伸びが加速した。豪統計局(ABS)が水曜に発表した。市場予想の4.7%を下回った一方、RBA(豪準備銀行)の目標レンジを上回った。
豪インフレと市場の注目点
3月の月次CPI(1カ月ごとの物価の変化)は前月の0%から1.1%へ上昇した。市場参加者は木曜発表予定の中国PMI(購買担当者景気指数=企業へのアンケートで景気の強弱を測る指標)を待っている。
FOMC(米連邦公開市場委員会=米金融政策を決める会合)は水曜、政策金利を3.5%~3.75%に据え置くことを8対4で決定した。4人が反対し、意見が割れたのは1992年10月以来となる。
声明では「インフレは高止まりしており、その一因は最近の世界的なエネルギー価格上昇にある」とした。パウエルFRB議長は、議長任期終了後もFRB理事(金融政策を決める立場)としては期限を定めず続ける意向を示した。
トランプ前大統領が後任候補として名前を挙げたケビン・ウォーシュ氏が、議長交代に向けて有力視されていると報じられている。
デリバティブ戦略の検討
デリバティブ(金融派生商品=株・為替などを元に作られた取引)を扱う投資家にとって、こうした金融政策の方向性の違いは、向こう数週間で豪ドル安の進行、または上値の重さを想定したポジションにつながりやすい。たとえばAUD/USDのプットオプション(一定価格で売る権利)を買えば、下落が続いた場合に利益を狙える。足元ではインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の変動の大きさ)も、中央銀行の不透明感を背景に上昇している。プット購入は、保有ポジションの損失を抑える「ヘッジ(保険)」にも、下落を見込む投機にも使える。
別の手段として、アウト・オブ・ザ・マネー(権利行使しても得になりにくい水準)のAUD/USDコールスプレッド(上昇方向のオプションを複数組み合わせ、利益と損失の幅を限定する取引)を売ってプレミアム(オプション料)を受け取る戦略がある。大きな上昇は抑えられる、という見方に沿った手法で、相場が横ばい、またはじり安なら有利になりやすい。金利差(国ごとの金利の違い)が米ドル保有に有利であることも、AUD/USDに対して弱気~中立の戦略を後押しする。