韓国の3月の鉱工業生産は前年比3.6%増となった。市場予想の3.8%を下回った。
3月の結果は予想を0.2ポイント下回った。ほかの数値は示されていない。
わずかな鈍化の兆し
3月の鉱工業生産が小幅に予想を下回ったことは、韓国経済の勢いがやや弱まっている可能性を示す。株価指数の下落に備える方法として、KOSPI200(韓国の代表的な株価指数)の短期プットオプション(期日が短い「売る権利」。指数下落時に利益になりやすい)を検討したい。成長が想定より弱いというサインを市場が織り込む過程で、指数が一時的に下げる展開を想定する。
この指標はウォン安圧力にもなりやすい。今月はドル/ウォンが1ドル=1,380ウォンを超える水準までウォン安が進んだ。為替ではUSD/KRWのロング(ドル高・ウォン安を見込む買い持ち)を、先物(将来の売買価格をあらかじめ決める取引)やオプション(一定条件で売買できる権利)で構築する考え方がある。4月上旬に韓国銀行が政策金利を3.5%で据え置いたことで、インフレ懸念を高めずに通貨を支える余地は大きくない。
一方で、より新しいデータも踏まえる必要がある。2026年4月上旬の税関による速報(輸出入の早期集計)では、半導体輸出が前年比12%超の増加と報じられた。3月の生産減速が、先行きのハイテク分野の強さを反映していない可能性がある。したがって、主要ハイテク株の下押し局面は、現金担保付きプット(必要資金を確保した上でプットを売り、株価が下がらなければ受取プレミアムを得る戦略)を売って、下落が一時的とみる手もある。
2022〜2023年に半導体の景気循環(需要と供給の波による業績変動)が大きく振れたことを踏まえると、1カ月分の生産統計だけで明確な流れと決めつけない方がよい。3月の生産と4月の輸出という食い違いは、インプライド・ボラティリティ(オプション価格に織り込まれた将来の変動見通し)を押し上げやすい。ストラドル(同じ満期・同じ権利行使価格のコールとプットを組み合わせ、上下どちらかに大きく動けば利益を狙う戦略)を主要な産業関連ETF(上場投資信託)で検討する余地がある。
地域需要の背景
地域要因も重要だ。中国の4月の製造業PMI(購買担当者景気指数。50を上回ると景気拡大の目安)が50.4で、拡大圏を維持した。韓国最大の貿易相手国からの需要が当面は安定していることを示す。鉱工業生産の弱さを背景に韓国株が大きく売られる局面では、下げ止まり要因になり得る。