エネルギー価格主導の物価上昇と堅調な国内需要が、豪州の物価上昇圧力に上振れリスクを加えていると説明されている。これは、5月5日の豪準備銀行(RBA)会合で政策金利を0.25%ポイント(25bp=ベーシスポイント、金利の単位で0.01%を1bp)引き上げるとの見方につながっている。
3月の消費者物価指数(CPI、一般家庭が買う品目の価格変化を示す指標)の発表は市場予想をわずかに下回り、5月5日の利上げ観測を基にした市場の織り込み(市場参加者が事前に見込む度合い)は21bpから18bpに低下した。短期金利先物(将来の政策金利見通しを反映する取引)のカーブは、年末までの累計引き締め幅を60bp織り込んでいるとされる。
RBA May Decision Outlook
サービス分野のインフレは鈍化していると報じられる一方、原油高が輸送費、電気代、公共料金などに波及すると見込まれている。CPI上昇率は第2四半期(2Q)に前年同期比5%へ上昇すると予想され、RBAが2026年6月時点の見通しとして示す4.2%を上回る。
AUD/USD(豪ドル/米ドル)は、RBAの政策スタンス見通しに支えられる構図とされ、金利差(国ごとの金利の違い)や中央銀行のフォワードガイダンス(将来の政策方針に関する示唆)が年末に向けた材料として挙げられている。前提シナリオには、5月にホルムズ海峡が部分的に再開される(通航が一定程度回復する)との想定が含まれる。
次週5月5日にRBAが政策金利(キャッシュレート)を25bp引き上げる可能性が高いとの見方が示されている。直近の3月期インフレ指標はやや鈍化したものの、前年比の水準はなお目標を大きく上回る。米国とイランの対立を背景にブレント原油先物(北海ブレントを指標にした原油の先物取引)が1バレル=110ドル近辺を試す場面があり、上昇圧力が強まっているという。
AUDUSD Trading Implications
市場は5月会合で約18bpの利上げをすでに織り込んでおり、決定そのものが大きな波乱を招かない可能性がある。取引面では、インプライド・ボラティリティ(オプション価格から読み取れる市場の予想変動率)に注目すべきとされる。RBA声明が想定以上に強い引き締め姿勢となる場合、AUD/USDのコールオプション(一定価格で買う権利)購入が上昇局面への備えになる。先物カーブは年末までの累計利上げ60bpを示唆しており、豪ドルに追い風の流れが意識される。
この引き締め方向の見方は国内景気にも支えられる。最新の雇用統計では失業率が4%を下回る水準で横ばいとなり、景気の底堅さが示された。これは個人消費の粘り強さを示し、借入コスト上昇(ローン金利の上昇)に耐えられるとの判断材料になるとされる。2025年を通じても、労働需給の逼迫(働き手が不足し賃金が上がりやすい状態)がサービス価格の高止まりにつながる構図がみられたという。
結果として、豪ドルは米ドルに対して底堅いとみられている。米ドルは米連邦準備制度理事会(FRB)の政策の不透明感が意識されやすいとの整理で、豪ドルに有利な金利差の拡大が今後数週間のAUD/USDの主因になり得る。取引手段としては、AUD/USD先物の買い(ロング)や、ブル・コール・スプレッド(安い権利行使価格のコールを買い、高い権利行使価格のコールを売る戦略)で上昇を狙う案が挙げられている。