米国の住宅着工件数は2月に135.6万件まで減少した。前月の148.7万件から低下した。
前月比では、新規の住宅建設(着工)の減少を示す。データは2月の水準を前月と比較している。
住宅着工は景気の減速を示唆
2026年2月の住宅着工は大きく減少した。135.6万件への低下は前月からの落ち込みが目立ち、高金利(借入コストが高い状態)が景気を冷やし始めた可能性を示す。2025年を通じて見られた景気の粘り強さが弱まりつつあるサインといえる。
これを受け、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の政策見通しが変化する可能性がある。金融市場の参加者は、利下げ(政策金利の引き下げ)が前倒しになるとの見方を織り込みやすい。その場合、国債利回り(債券の利回り)が低下すると利益が出やすい取引、例えば長期米国債先物(将来の価格で米国債を売買する契約のこと)を買う戦略が相対的に有利になりやすい。4月下旬時点では、市場が織り込む利下げは第4四半期に1回程度にとどまっており、景気の弱さが続くなら見直し余地がある。
住宅は景気に先行しやすい指標(景気の転換に先んじて動きやすいデータ)であるため、株式市場では守りの姿勢も検討したい。例えば、S&P500(米国の代表的な株価指数)に連動する指数や建設関連への影響が大きい分野に対し、プットオプション(将来、あらかじめ決めた価格で売る権利)を買って下落に備える方法がある。建設に直結しやすいセクターETF(複数銘柄をまとめて売買できる上場投資信託)としては、住宅建設関連ETFのXHB(ホームビルダーなど住宅関連企業を集めたETF)が挙げられる。さらに、住宅ローン申請件数が2026年4月に3週連続で減少しており、住宅関連株に弱気(下落を想定する見方)が続きやすい状況を補強している。
政策不透明感の中での変動リスクへの備え
景気減速の兆しと、FRBが言及するインフレ(物価上昇)の長期化が綱引きとなり、市場の不透明感が強まりやすい。変動性(価格の振れやすさ)の上昇が見込まれる局面では、VIX指数(株式市場の予想変動性を示す指数。いわゆる「恐怖指数」)のコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を買うことが、数週間のヘッジ(損失を抑えるための備え)として有効になり得る。過去にも、住宅着工のような先行指標が急低下した後に市場の変動性が高まりやすく、2006年や2018年の減速局面で同様の流れが見られた。