BNYのジェフ・ユー氏:ドル高は交易条件の改善と貿易加重ベースの保有増が背景、リバランスによる下押しは限定的

    by VT Markets
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    Apr 29, 2026

    米ドルが足元で強い背景として、本ノートは「交易条件(terms of trade:輸出価格が輸入価格に対してどれだけ有利かを示す指標)の改善」というプラスのショックに加え、「貿易加重ベース(相手国との貿易量で重み付けした指数)で見た米ドル保有がすでに高水準」にある点を挙げる。これにより、投資家が資産配分を大きく組み替える(ポートフォリオ・リバランス)必要性が小さくなり、テクニカル要因(チャートや需給に基づく売買)による売りが米ドルを明確に押し下げるには、相応に高いハードルがあるという。

    また、米ドルは本日の米連邦公開市場委員会(FOMC:米金融政策を決める会合)の判断材料として決定的になりにくいと示唆する。一方、直近2カ月は金融環境が全体として緩和方向(市場の資金調達がしやすい状態)になったと位置づけ、その主因を「紛争の拡大で米ドルの流動性(すぐに使える現金同等の米ドル資金)需要が増えたこと」とする。

    Terms Of Trade And Positioning

    米国の競争力を巡る従来の懸念は、交易条件の押し上げが米国の対外ポジション(経常収支や対外純資産など、海外との資金の出入りの状態)を改善するため、短期的には和らいだと説明する。もっとも、米ドルからカナダドルや中国人民元といった代替通貨に資金が流れる(フローが漏れる)動きも一部あると認める。

    こうした相殺要因があっても、米ドルはユーロ、円、メキシコペソに対して強く推移しており、貿易加重ベースの米ドル保有は高い水準にとどまる。ただし、その水準は極端ではなく、米ドル安方向の大規模なリバランス資金を誘発するほどではない、という評価だ。

    取引の観点では、米ドルの見通しは引き続き前向きで、短期反転を狙うよりも上昇継続に沿う戦略の方が合理的だとする。例としてDXYのコールオプション(一定価格で買う権利)を挙げる。根拠は「政策の方向性の差(政策ダイバージェンス)」で、2026年1~3月期(Q1)の米GDP成長率を2.8%と見込み、コアインフレ(食品・エネルギーを除いた物価上昇率)が下がりにくい(粘着的)ため、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを急ぐ動機が弱いとする。

    Relative Value Trade Setups

    相対価値(relative value:複数資産の割高・割安の差を狙う手法)では、ユーロは米ドルに対する資金調達通貨としてのショート(ユーロ売り)に適していると提示する。想定するのは、EUR/USDのコール・スプレッド売り(上昇方向のオプションを複数組み合わせ、損失上限を定めた形)など、リスク上限が明確な構造だ。背景には、ユーロ圏の弱い指標(ドイツIFO景況感指数98.5)と、ECB(欧州中央銀行)が2026年7月までの利下げがあり得ると示唆している点を挙げ、利下げに慎重なFRBとの対比を強調する。

    円は特に脆弱とし、より高いリスク許容度ならUSD/JPYのロング(ドル買い・円売り)が魅力的だという。日銀が超金融緩和(大規模な資金供給や低金利政策)の継続と、ほぼゼロ金利に近い水準を維持しているため、米日金利差(利回り格差)が拡大しやすいからだ。さらに、カナダドルはWTI原油(米国の代表的な原油指標)が1バレル85ドル超で推移していることなどから一定の支えがある一方、他通貨の弱さ(メキシコペソを含む)が目立ち、オプションで「急激な米ドル下落」を狙う戦略は今後数週間で実現確率が低い取引だと指摘する。

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