世界的な供給リスクを受けてWTIは3日続伸、1バレル=96.90ドル近辺で推移

    by VT Markets
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    Apr 29, 2026

    WTI(米国産原油の代表的な指標)は3日続伸し、水曜日のアジア時間に1バレル=96.90ドル近辺で取引された。米国とイランの協議が停滞し、ホルムズ海峡(中東から原油を運ぶ重要航路)が事実上閉鎖された状態が続く中、供給懸念が強まっている。

    米国のドナルド・トランプ大統領は、交渉を続ける間、イランがホルムズ海峡に対する米海軍の封鎖解除を求めたと述べた。海峡の閉鎖により、世界の原油輸送量の約20%が止まっている。

    供給リスクが一段と強まる

    米国は、テヘラン(イラン政府)と関係がある中国の製油会社に対する制裁(取引や資金決済を制限する措置)の可能性など、イランへの圧力を強めた。さらに、ホルムズ海峡通過のために通行料を支払う国々への措置も検討した。

    ロイター通信が火曜日に報じたところによると、アラブ首長国連邦(UAE)は5月1日にOPEC(石油輸出国機構)を脱退する見通しだという。報道は、この動きがイランを巡る対立と湾岸諸国間の亀裂拡大に関連していると伝えた。

    スコット・ベッセント米財務長官は、ハルグ島(イランの主要な原油輸出拠点)の貯蔵がほぼ満杯に近く、イランは1日あたり約1億7000万ドルの収入を失っていると述べた。財務省はイランの「影のタンカー船団」(制裁逃れのために船籍や名義を変えて運航するタンカー群)の多くを制裁対象にしており、イラン産原油の購入者は米国の銀行システム(ドル決済を含む金融取引)から排除される可能性があると警告した。

    WTIが97ドルに近づく中、原油価格の目先の方向は上昇が急になりやすい。ホルムズ海峡の実質的な閉鎖により、当面、日量約2,100万バレル(世界供給の約20%)が市場から失われている。この大きな混乱を受け、市場参加者は上昇基調が続く可能性を見込んだ対応を迫られる。

    変動性(値動きの大きさ)とポジション

    米国とイランの対立、UAEのOPEC脱退見通しを巡る不確実性は、市場の変動性を極めて高める。CBOE原油ボラティリティ指数(OVX:原油オプションの価格から算出する「市場が見込む将来の値動きの大きさ」)は、2022年の供給ショック時の急上昇に近い水準まで上がり、数年ぶりの高水準で推移する可能性がある。WTIやブレント(北海産原油の指標)先物に対するコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を、2026年6月・7月満期で買う戦略が、上昇局面を狙う手段となり得る。

    過去の地政学リスクによる供給ショックでは、価格が短期間で急騰する例が多い。2022年にはブレントが90ドルから1カ月足らずで120ドル超まで上昇した。今回のホルムズ問題は、現物の供給そのものにより直接的な影響を与えるため、2四半期末までに120ドルを試す展開も否定できない。

    ブレントとWTIの価格差(スプレッド)の拡大も見込まれる。供給危機の中心が中東産原油であり、これはブレントに連動しやすいため、短期の不足に対してブレントがより敏感になりやすい。UAEのOPEC脱退が正式に実施される5月1日は重要な日程で、さらなる不安定化と強気材料になり得る。

    過去の危機と異なり、政府による介入余地が小さいとの見方が、高値シナリオを支える。米国の戦略石油備蓄(SPR:緊急時に放出する国家備蓄)は約3億6500万バレルで、約40年ぶりの低水準に近く、長期の供給停止の影響を和らげる余力が限られる。加えて、制裁によりイランの「影の船団」の運用が絞られていることから、需給のひっ迫は短期では解消しにくい。

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