米国のドナルド・トランプ大統領は、2か月続いた紛争の終結を目指す協議の中で、イランがホルムズ海峡の海上封鎖(艦艇などで航路を実質的に通れなくする措置)の解除を米国に求めたと述べた。ブルームバーグが火曜日に報じた。
トランプ氏は火曜日、SNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランは指導部の体制を整えつつ、石油・ガス輸送ルートである同海峡を「できるだけ早く」開放したい意向だとした。
Strait Of Hormuz Talks
CNNは火曜日、仲介役のパキスタンの調停関係者が、イランが数日以内に停戦に向けた修正案(条件を見直した提案)を提示すると見込んでいると、調停プロセスに近い情報筋の話として伝えた。
執筆時点で、米国産原油の代表的な先物であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は前日比2.15%高の1バレル=97.00ドル。
緊張緩和の観測が出ているにもかかわらず原油が97ドル前後で下げにくいことは、市場が早期決着に懐疑的であることを示す。こうした状況は、市場が見込む将来の値動きの大きさであるインプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される予想変動率)を押し上げている。Cboe原油ボラティリティ指数(OVX、原油オプションから算出する変動率指数)は55近辺で推移しており、不確実性が大きい水準と言える。この局面では、保険料に当たるオプション・プレミアムを受け取る売り(オプション売り)が有利に見える一方、協議が決裂すれば損失が膨らむリスクが大きい。
外交が失敗する可能性が高いとみる投資家にとっては、コールオプション(将来、決めた価格で買う権利)で上昇リスクに備える戦略は有効だ。現物市場はホルムズ海峡の封鎖で供給が強く絞られており、日量約2,100万バレルの流れが滞っている。パキスタンの調停で悪材料が出れば、価格が再び1バレル=100ドルを上回る展開もあり得る。
Options Strategies For Traders
一方で、信頼できる和平案が出てくれば、現在原油価格に上乗せされている戦争プレミアム(紛争リスクを織り込んだ上乗せ分)は急速に剥落し得る。その場合、価格は大きく調整し、紛争開始前に中心だった80ドル台前半へ下落する可能性がある。これを想定する投資家は、プットオプション(将来、決めた価格で売る権利)の購入で下落局面の利益を狙う手段がある。
今回の状況は、2025年の紅海での混乱時に見られたボラティリティ(価格変動の大きさ)を想起させ、見出し報道が相場を左右しやすい。結果が二極化しやすいだけに、オプション・スプレッド(複数のオプションを組み合わせ、損益とリスクを一定範囲に収める手法)でリスクを明確にすることが有効だ。例えばベア・プット・スプレッド(プットを買い、より低い行使価格のプットを売ってコストと利益を抑える戦略)なら、下落に賭けつつ、想定外の再燃局面で損失上限を設定できる。