火曜日、ポンドは日銀(BoJ)の金融政策決定を受けて円に対して下落した。GBP/JPYは215.18付近で推移し、約0.27%安。直近2週間のレンジ内にとどまった。
日銀は政策金利(短期金利の中心となる基準金利)を0.75%に据え置いた。採決は6対3で、3人は1.0%への引き上げを支持した。日銀は物価見通し(インフレ率の予測)を引き上げる一方、成長率見通し(景気の伸びの予測)は下方修正し、米国とイランの戦闘拡大や原油高のリスクを挙げた。
日銀の方針と短期の成長リスク
植田和男総裁は、景気・物価・金融環境(資金調達のしやすさや市場の安定度)を見ながら、利上げ(政策金利の引き上げ)と金融支援の調整を進める方針を示した。また、地政学リスクの高まりにより、2026年度に成長が鈍化する可能性があるとも述べた。
決定後は円高が進んだが、日本は原油を輸入に頼るため、エネルギーコスト高が重しとなり動きは限定的だった。英中銀(BoE)と日銀の金利差は引き続き重要で、BoEの判断は木曜日に予定されている。
GBP/JPYは100日移動平均線(100日SMA:過去100日終値の平均で、トレンドの目安)と200日移動平均線(200日SMA)を上回っており、短期の基調は上向き。RSI(相対力指数:買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標)は60近辺から低下気味。MACD(移動平均の差で勢いを測る指標)は、上昇の勢いを示す緑のヒストグラム(棒グラフ)が弱まっている。
下値の目安(サポート)は214.50、次いで213.00。その下は100日SMAの211.71、200日SMAの206.50。上値の目安(レジスタンス)は216.00で、216.00を上回って終えれば217.00、218.00が次の目標となる。
重要イベント前のオプション動向
GBP/JPYは高値圏での持ち合い(一定の範囲で上下する状態)が続き、今後数週間は慎重な地合いになりやすい。日銀が0.75%で据え置きつつ、将来の利上げに前向きな姿勢(タカ派的な据え置き)を示したことで、上昇には一時的な上限が意識されやすい。一方、市場ではBoEが根強いインフレを抑えるため、年内に少なくとも2回の追加利上げを行うとの見方がある。
米国とイランの衝突が続くなか、WTI原油(米国の代表的な原油指標)の価格は1バレル110ドル超まで上昇し、世界的なインフレ要因となっている。英国では最新のCPI(消費者物価指数)が4.1%で高止まりし、BoEには引き締め姿勢の継続圧力がかかる。この環境では、金利差による受け取り(キャリートレード:低金利通貨で調達し高金利通貨で運用する取引)を狙い、ポンド買いの保有が選好されやすい。
ただし、上昇トレンドにも疲れが見え始めている。RSIなどの勢い指標で弱気のダイバージェンス(価格が上昇しているのに指標が上がらず、勢い低下を示す現象)が確認され、日銀の金融正常化(超緩和から平常的な金利水準へ戻すこと)への信認が高まっている可能性がある。2025年後半に、同様の警戒発言をきっかけに円が急伸した局面もあった。急な反転に備えるなら、214.50のサポートを下回る行使価格の短期プット(売る権利のオプション)を買うことは、損失を抑える保険(ヘッジ)になり得る。
216.00付近に上値の壁があり、上昇の勢いが弱まっているため、レンジ継続を前提に収益機会(オプションのプレミアム収入)を狙う見方もある。217.00以上の行使価格でコール(買う権利のオプション)を売る戦略は、相場が動かないほど価値が減る「時間的価値の低下(タイムディケイ)」を利用でき、BoE決定前の持ち合いが続く場合にプレミアムを得やすい。
次の大きな材料は木曜日のBoE会合だ。声明が想定以上にタカ派なら、216.00のレジスタンスを上抜ける可能性がある。これを見込む場合、満期の短いコールを買い、218.00方向への急変に備える選択肢がある。