GBP/USDは1.3575近辺からの調整(短期的な反落)を延長し、火曜日に一段安となった。欧州早朝には1.3500近辺まで下落し、米ドル買い需要の強まりが下支え(下落を促す要因)となった。
ただ、その後の値動きは限定的だった。市場は今週の中央銀行の政策決定(金融政策を決める会合)を待っている。米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行にあたる)は水曜日に結果を公表し、続いて木曜日に英中銀(BoE)が発表する予定だ。
BoEを前にポンドは重い
欧州時間のポンドは対ドルで約0.2%安の1.3500近辺で推移した。売り圧力は、BoEの発表を前に先行きが読みにくいこと(不透明感)に起因する。
BoEは政策金利を3.75%に据え置くとの見方が大勢で、採決は8対1の票割れが予想されている。背景には、3月の英国コアCPI(消費者物価指数、エネルギーや食料など変動が大きい品目を除いた物価指標)の伸びが鈍化したことがある。一方で、高止まりするエネルギー価格やホルムズ海峡の長期閉鎖が、インフレ(物価上昇)のリスクとして意識されている。
イベントリスクに備えるオプション案
一方、英国では3月のインフレ指標が2.5%まで低下し、改善がみられる。英国の景気回復が弱い中、BoEには米国より早い利下げ(政策金利の引き下げ)を検討する圧力が強まりやすい。こうした両中央銀行の政策の違い(政策の方向性のズレ)が、ポンドの下押し要因になっている。
デリバティブ(金融派生商品)取引では、重要イベントを前に不確実性が高まることで、インプライド・ボラティリティ(IV、オプション価格に織り込まれた将来の変動率見通し)が上昇しやすい。この局面では、ストラドル(同じ権利行使価格・期限のコールとプットを同時に買い、上下どちらかの大きな値動きを狙う戦略)など、オプションの買いが選択肢になり得る。オプション料(プレミアム)は高くなるが、発表後に大きく動けば採算が合う可能性がある。
米指標が強い場合、ポンド安を見込む投資家にはシナリオが描きやすい。2025年秋には、FRBのタカ派的シグナル(利下げに慎重で、金融引き締め寄りの姿勢)がポンドを1.2200割れまで押し下げた局面があった。ポンド下落に備えるなら、GBP/USDのプット(売る権利)購入で下落局面の利益を狙う、またはプット・スプレッド(プットを買い、より低い権利行使価格のプットを売ってコストを抑えつつ損益の範囲を限定する戦略)で、リスクとコストを管理する方法がある。