EUR/GBPは月曜日、英国の政局不安に伴う一時的な値動きの後に下落した。0.8658近辺で推移し、日中高値0.8676から水準を切り下げた。
英ポンドは、キア・スターマー首相が「ピーター・マンデルソン氏を駐米大使に指名する過程で、議員に対して事実と異なる説明をした疑い」について、下院で採決を迎える可能性があるとの報道を受けて軟化した。火曜日、同首相を「特権委員会(議会のルール違反や虚偽説明の疑いを調べる委員会)」に付託するかどうかが採決される見通しだ。
金利見通しが方向感を左右
月初来、EUR/GBPは小幅な下向き基調を維持している。背景には、米国・イランの戦争で原油高リスクが意識され、インフレ懸念が再燃するなかで、市場が政策金利の先行きを見直していることがある。
市場ではECBと英中銀(BoE)がともに利上げ余地を残すとの見方があり、足元の英国指標はBoEの引き締め観測を強めた。ECBとBoEはいずれも木曜日に政策会合を開くが、今回の政策金利は据え置きが予想される。BoEは政策金利(中央銀行が景気・物価を調整するために決める短期金利)を3.75%で3会合連続、ECBは2.00%で7会合連続の据え置きが見込まれている。
市場の関心は、今後の金利運営に関する「ガイダンス(先行きの手掛かり)」に移りやすい。BHHのレポートでは、今後12カ月でECBは約60bp(ベーシスポイント=金利0.01%の単位)の利上げ、BoEは約75bpの追加引き締めが見込まれている。
政策の差と取引ポジション
より積極的なBoEという見方は、この1年で実際に進んできた。2026年4月27日現在、英国の最新インフレ率は4.1%と高止まりする一方、ユーロ圏は3.5%まで比較的速いペースで低下した。これにより、BoEの政策金利4.50%はECBの2.75%を大きく上回る状態(上乗せ幅)が正当化され、EUR/GBPは0.8520近辺へ下押しされている。
この環境では、ユーロに対するポンド高の恩恵を受ける戦略が引き続き有利とみられる。例えば、「アウト・オブ・ザ・マネーのEUR/GBPコール(現行水準より上で利益が出やすい買う権利)」の売りや、「ベア・プット・スプレッド(値下がりに備え、異なる行使価格のプットを組み合わせて損失を限定する取引)」により、金利差の継続を収益機会につなげやすい。
今後は、英国の賃金伸び率と、ユーロ圏の速報GDP(国内総生産=国内で生み出された付加価値の合計)の発表が焦点となる。英国の賃金が強ければ、BoEのタカ派姿勢(インフレ抑制を優先し金利を高めに保ちやすい姿勢)を補強し、EUR/GBPの下落圧力が強まる可能性がある。