中国商務部はEUが提案する「産業アクセラレーター法(Industrial Accelerator Act)」を批判し、4月24日に意見書を提出した。同法案には、海外投資家(外国企業や外国資本)に不利となる差別的な条項が含まれるとしている。
中国側は、同措置が世界貿易機関(WTO:国際的な貿易ルールを定める枠組み)の原則に反すると主張。とくに「最恵国待遇(ある国に与えた最も有利な条件を、他の加盟国にも同様に適用するルール)」や「内国民待遇(輸入品・外資を国内の企業や製品と差別しないルール)」に抵触するとした。さらに、公正な競争や投資家の信認(市場参加者が制度や政策を信頼する度合い)を損なう恐れがあると警告した。
貿易摩擦と政策リスク
ドイツの5月の消費者マインド(家計の景況感)は悪化し、GfK(ドイツの市場調査会社)の総合指数は4月の-28.1から-33.3へ低下した。低下幅は5.2ポイントで、2023年2月以来の低水準。
先行きの見通し(景気への期待)も-13.7へ下落した。データでは、エネルギー価格の上昇や、イランをめぐる地政学的緊張(政治・安全保障の対立が経済に与える影響)が、ユーロ圏の見通しやユーロ/ドル(EUR/USD:ユーロと米ドルの為替レート)に影響した要因として挙げられた。
対中貿易摩擦とドイツの消費者心理の急低下が重なることで、欧州資産(欧州の株式・通貨・債券)には弱気材料が増える。為替が足元の1.05近辺から一段と下落しやすい環境を踏まえ、ユーロ/ドルのプット・オプション(一定価格で売る権利。下落に備える手段)の購入を検討したい。過去を振り返ると、2025年にも同様に弱い心理指標が出た後、景気の停滞が続いた。欧州中央銀行(ECB:ユーロ圏の金融政策を担う中銀)も、ハト派(景気重視で利下げに前向き)寄りの姿勢を強める可能性がある。
ユーロ圏の成長をけん引するドイツの弱さは、欧州株の重荷となる。とりわけDAX指数(ドイツ主要株価指数)は、対中依存度の高い輸出企業の比率が大きく、昨年の売上に占める中国市場の寄与も大きい。企業業績の悪化に備えるヘッジ(損失を抑える対策)として、DAXや、より広範な欧州株指数であるSTOXX 600のプット購入は有効な選択肢となる。
ボラティリティと金利ポジション
イランをめぐる緊張や貿易対立は不確実性(先行きが読みづらい状態)を高め、相場変動の大きさであるボラティリティ(価格の振れ幅)の主要因となる。この環境では、欧州の代表的なボラティリティ指数であるVSTOXX(ユーロ圏株の変動見通しを示す指数)のコール・オプション(一定価格で買う権利。上昇に備える手段)を買う戦略が検討に値する。2024年末に中東情勢の緊張が高まった局面では、VSTOXXが数週間で30%超上昇し、心理が短期間で急変し得ることを示した。
弱い経済指標は、ECBに金融引き締め(利上げなど)志向の見直しを迫る可能性が高い。市場では年内の利下げ観測(利下げの可能性を織り込む動き)が強まり、1カ月前から明確に変化している。こうした局面では、金利デリバティブ(債券先物など金利に連動する金融商品)に機会がある。例えばドイツ国債(Bund)先物の買いは、利回り低下(価格上昇)局面を取り込みやすい。
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