NZD/USDは週初に上昇した。金曜日に0.5840近辺の「200日単純移動平均(過去200日間の終値の平均で、長期の方向感を見る指標)」で下げ止まり反発し、アジア時間には米ドル安を受けて0.5900付近へ戻した。ただし、地政学リスク(国際情勢の悪化による市場変動リスク)で上値は重かった。
株式市場の心理が改善し、「安全資産(リスク回避局面で買われやすい資産)」とされる米ドルへの需要が低下、NZD/USDは2日続伸となった。一方で、米国とイランの協議が停滞し、ドナルド・トランプ大統領がイラン戦争協議に関連するパキスタン訪問としてスティーブ・ウィトコフ氏とジャレッド・クシュナー氏の派遣を取りやめたことから、米ドルの下落は限定された。
地政学リスクとFRB(米連邦準備制度理事会)の見通し
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、レバノンのヒズボラ拠点を攻撃するよう軍に命じた。さらに、ホルムズ海峡(中東の主要な原油輸送ルート)を巡る米国とイランの対立と、同海域での供給混乱懸念がインフレ不安を強め、「タカ派的(利上げ・引き締めに前向き)」なFRB観測を支え、米ドルの一段安を抑えた。
市場はまた、週内に予定されるFOMC(米連邦公開市場委員会。FRBが金融政策を決める会合)の結果を待っていた。NZD/USDは、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)が慎重姿勢を維持、またはインフレを「目標レンジ1%〜3%の中間である2%」へ導くために引き締め方向へ動くとの見方にも支えられた。
2025年には、NZD/USDが0.5900近辺で伸び悩んだ局面があった。当時は米国とイランを巡る緊張が大きな材料となり、米ドルへの逃避需要が強まり、上昇を抑えた。結果として値幅は狭く、様子見が増えた。
オプション戦略と主なリスク
金利差の拡大により、NZD/USDのロング(上昇を見込む買い持ち)には追い風となりやすい。上昇局面を狙うなら、権利行使価格0.6250近辺、満期2026年7月のコールオプション(将来の特定日に、あらかじめ決めた価格で買う権利)を買う戦略が選択肢になる。オプションは支払う「プレミアム(オプション代金)」が最大損失となり、損失が限定される。
ただし、中国景気の弱さは引き続きNZドルの重しとなり得る。中国の成長率が市場予想を下回ると、ニュージーランドの輸出需要への懸念が強まり、NZD/USDの上値を抑える可能性があるため、現物の買い持ちは慎重な管理が必要だ。
乳製品価格が底堅い場合、NZD/USDの下値は支えられやすい。この前提であれば、権利行使価格0.6050近辺のプットオプション(将来の特定日に、あらかじめ決めた価格で売る権利)を売る戦略で、プレミアム収入の獲得を狙う方法もある。ただしプット売りは、相場が大きく下落した場合に損失が膨らみやすい点に注意が必要だ。