日本のCFTC(米商品先物取引委員会)データによると、非商業部門(投機筋)の円のネットポジション(買い持ちと売り持ちの差し引き)は、さらにマイナス(売り越し)方向に拡大した。
ネットポジションは前回の▲8.32万(83.2K)から▲9.45万(94.5K)へ低下した。
投機筋の円売り越し(ネットショート=売り持ち超過)は深まり、数カ月ぶりの弱気水準となった。これは、市場参加者が円安の継続を強く見込んでいることを示す。結果として、米ドル/円(USD/JPY)は上昇(円安)しやすい流れが続いている。
背景にある最大の要因は、日米の金利差(米国金利が高く、日本金利が低い状態)の大きさだ。米国のインフレ指標では、コアCPI(変動の大きい食品・エネルギーを除いた消費者物価指数)が約3.2%と高止まりしており、FRB(米連邦準備制度理事会)が高金利を当面維持しやすい。一方、日銀は超緩和(政策金利を低く抑え、資金供給を手厚くする政策)からの転換を「ゆっくり進める」と受け取れる発信が多く、金融政策の方向性の差が続く見通しだ。この差が、キャリートレード(低金利通貨で借りて高金利通貨で運用し、金利差の利益を狙う取引)を後押ししている。
ただし、円の売り越しは過度(ポジションが一方向に偏る状態)になりつつあり、2024年初めに近い状況だ。当時は投機筋の円売りが17年ぶりの高水準に達した後、米ドル/円が160円台に乗せた局面で日本当局が円買い介入(為替市場で円を買って円高方向へ誘導する行動)に動いた。足元も同様の水準に近づくなか、介入リスクは大きく上昇している。