通貨市場は、4月28日の「戦争権限決議(War Powers Resolution)」の期限を前に、もみ合い(一定の範囲で上下する状態)に入った。USD/CNY(米ドル/人民元)は、先行して起きた「安心感による上昇(relief rally:悪材料が一時的に後退したとの見方で買い戻される動き)」の後、横ばいとなっている。
今月前半の上昇後、売買は慎重になり、はっきりした方向性を狙う取引は減っている。市場の関心は期限と、追加の地政学ショック(政治・安全保障の出来事で市場が急変すること)リスクに移った。
中央銀行と地政学リスク
米国とイランの緊張は、来週に会合を予定する複数の中央銀行の見通しにも影響している。政策金利は「据え置き(現状維持)」が見込まれる一方、当局者はスタグフレーション(景気が弱いのに物価が上がる状態)のリスクを警戒している。
アジアでは、原油価格の影響を受けやすい通貨(オイルに敏感な通貨)として、INR(インド・ルピー)、KRW(韓国ウォン)、PHP(フィリピン・ペソ)が、原油価格と連動しやすいと見られている。現地当局は、通貨安(減価)方向への一方的な動きが強まるのを抑えるため、必要なら市場に介入する姿勢(けん制)を保つ可能性が高い。