米労働省によると、4月18日までの1週間の米新規失業保険申請件数は21万4,000件となり、前週(修正後の20万8,000件、当初20万7,000件)から6,000件増加した。
季節調整済みの継続受給者数(失業保険を受け取り続けている人の数)は4月11日までの1週間で182万1,000人となり、前週(修正後の180万9,000人、当初181万8,000人)から1万2,000人増えた。
発表後もドルは為替市場で日中の上昇を維持した。ただ、今回の統計は市場を大きく動かす材料にはなりにくく、関心は引き続きイラン情勢(戦争リスク)と原油価格に向かった。
新規申請件数が21万4,000件にとどまったことは、米労働市場(雇用の需給)が引き締まった状態にあることの確認といえる。この水準は景気悪化を示すほど高くなく、2024年から2025年にかけて見られた安定レンジの範囲内に収まっている。こうした安定は、米連邦準備制度理事会(FRB)にとって、近い将来に利下げ(政策金利の引き下げ)を検討する動機を弱める。
市場の反応が限定的だったのは、焦点が別にあることを示す。現在のリスク要因はイラン情勢で、北海ブレント原油先物(将来の原油価格を売買する取引)は1バレル=95ドル超で推移しやすい状況にある。2月以降の四半期で原油が約15%急騰したような局面は、過去には市場の変動(ボラティリティ)の上昇に先行することが多い。
この観点からは、株式市場全体の予想変動率(将来の値動きの大きさの見込み)を示すVIX指数が15前後にとどまっているのは低すぎる可能性がある。市場の本当の脅威は、米雇用のじわりとした減速ではなく、原油の外的ショック(地政学要因による急騰)だ。ヘッジ(損失回避)として、VIXのコールオプション(一定価格で買う権利)や、原油ETF(原油価格に連動する上場投資信託)に連動したオプションの活用を検討したい。