米国の3月の小売売上高は前年同月比4%増となった。前回は3.7%だった。
3月の小売売上高は前年同月比4%増と市場予想を上回り、サプライズとなった。これは、金利が高い状態でも米国の消費が底堅いことを示す。景気が十分に減速し、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和(利下げ)を検討できるという見方に疑問を投げかける。
この消費の強さは重要だ。先週発表された消費者物価指数(CPI、家計が購入するモノやサービスの平均的な価格変化を示す指標)も前年同月比3.6%上昇と市場予想を上回り、物価の伸びが強かった。支出とインフレ(物価の上昇)がともに想定以上に強いことで、夏の利下げ観測は急速に後退している。市場が織り込む7月利下げ確率は、先月の6割超から足元では25%未満に低下した。
金利取引では、FRBが「高金利を長く維持(higher for longer)」する姿勢を想定しておく必要がある。セキュアード・オーバーナイト・ファイナンシング・レート(SOFR、米国で翌日物の資金調達コストを示す代表的な指標金利)先物のうち、2026年後半満期の限月を売る戦略は選択肢となり得る。これは、市場が年初に想定していた大幅な利下げ見通しがさらに後退すると見込む取引だ。
株式市場では、景気の強さが続く一方でインフレが粘着的であることが重荷となる。S&P500指数(SPX)などの広範な株価指数に対し、プット・オプション(株価指数が下落した際に利益が出やすい保険のような取引)で下落に備えることを検討したい。特にVIX(株式市場の予想変動率を示す指数)が15前後と低水準にあるため、ヘッジ(リスク軽減)目的のオプション価格は相対的に割高感が小さい。
米ドルは、金利差(各国の金利の差)がドルに有利に広がる環境の恩恵を受けやすい。ドル指数(DXY、主要通貨に対するドルの強さを示す指数)は、年初に見られた100台前半からの上昇基調が続くと見込む。金融政策がよりハト派(利下げに前向き)な中央銀行を持つ通貨、例えば日本円に対してドルを買い持ち(ロング)する戦略は、妙味が増している。