米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、非商業部門(投機筋)の金のネットポジション(買い越し)は16.25万枚に増加した。前回は15.63万枚だった。
増加幅は0.62万枚。数値はCFTC発表の最新報告期間に基づく。
金に対する強気の見方が目立っている。投機筋のネットロング(買い建て超過)が16.25万枚まで積み上がっており、大口投資家が価格上昇の継続を見込み始めていることを示す。ポジションの増加は、今後数週間で上昇の勢いが強まり得ることを示唆する。
背景には、2026年3月の経済指標がある。消費者物価指数(CPI、消費者が購入するモノやサービスの価格変化を示す指標)が予想以上に下がりにくく、前年比3.1%とインフレの粘着性が確認された。インフレが続く局面では、米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行)が利下げを急がない姿勢を示しやすい。こうした高インフレと景気の不確実性は、利息が付かない資産である金(無利子資産)に追い風になりやすい。
公的部門の買いも下支え要因だ。2026年1~3月のデータでは、世界の中央銀行が外貨準備に200トン超を追加した。2025年を通じてみられた積み増しの流れが続いており、継続的な需要が価格の下値を支える構図となっている。
派生商品(デリバティブ、先物やオプションなど価格変動に連動する取引)を用いる投資家にとっては、金先物のコールオプション(将来、決めた価格で買う権利)の購入や、ブル・コール・スプレッド(買いのコールと売りのコールを組み合わせてコストと損失を抑える戦略)を検討しやすい。想定する上昇局面での収益機会を狙いつつ、リスク管理もしやすい。足元の値動きは、昨年後半に見られた方向感の乏しいレンジ相場より、トレンドが出やすい印象だ。