米ドル指数(DXY)は、ホルムズ海峡の再開に関するニュースを受けて「安全資産(リスク回避局面で買われやすい資産)」需要が弱まり、98.00近辺でもみ合った。一方、ホルムズ海峡を巡る地政学リスクが、さらなる下落を抑えた。
報道によれば、ホルムズ海峡は「完全に開放され、全面通航の準備ができている」とされ、短期的な供給途絶(供給が止まること)への懸念が後退した。その後、米国が海上封鎖(海軍が航行を制限する措置)を続ける場合、イランが再び閉鎖を検討する可能性があること、またイランがこれを停戦合意違反と見なす可能性があることも伝えられた。
米ドルが軟化する中、EUR/USDは1.1790近辺へ上昇し、GBP/USDは1.3550近辺まで持ち直した。USD/JPYは158.20前後へ下落し、AUD/USDは0.7200付近まで上昇後、0.7180近辺へ小幅に反落した。
WTI原油は、再開を受けたリスク上乗せ分(地政学リスクを織り込んだ価格上昇)がはく落し、1バレル=83.00ドル付近へ下落。金(ゴールド)は安全資産需要が弱い中でも4,865ドル近辺へ上昇した。
今後の予定としては、4月21日から4月24日にかけて中央銀行関係者の発言が予定され、ECB(欧州中央銀行)当局者、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事、SNB(スイス国立銀行)のシュレーゲル総裁らが含まれる。経済指標は、中国のPBoC(中国人民銀行)の金利決定、ドイツのPPI(生産者物価指数)、カナダのCPI(消費者物価指数)、英国の雇用統計とインフレ指標、ユーロ圏の景況感、世界各国のPMI(購買担当者景気指数)、米国の小売売上高と失業保険申請件数、日本の貿易統計とインフレ指標、米国のミシガン大学調査(消費者態度指数など)とインフレ期待が予定されている。
現在は、ホルムズ海峡の再開で目先の供給不安が和らぎ、WTI原油が1バレル=83ドル近辺へ下がる「慎重な安堵」の局面にある。ただ、状況は不安定で、2024年の紅海での海運混乱(船舶の通行が滞り物流コストが上がった事象)のように、エネルギー市場が長期にわたり神経質になり得る。海運データでは、2025年後半に同海峡を通過するタンカー(原油などを運ぶ船)の航行がすでに30%減っていたとされ、再び閉鎖の脅しが強まれば、価格は即座に大きく動きやすい。