インドの銀行貸出成長率は3月16日時点で16.1%となり、前期間の13.8%から上昇した。これは銀行の融資(貸出)がより速いペースで増えていることを示す。
貸出成長率が16.1%に上がったことは、景気の需要が強いことを示す分かりやすいサインで、銀行株に追い風になりやすい。当社は、主要銀行の今後の四半期決算(3カ月ごとの業績)が堅調になりやすいとみる。デリバティブ(株価指数などを対象にした先物・オプション等)取引では、Nifty Bank指数に強気材料(株価上昇を見込みやすい材料)と受け止められやすい。
戦略としては、Nifty Bank指数、またはHDFCやICICIなど個別銀行のコール・オプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を、5月・6月満期で買うことを検討したい。別案として、アウト・オブ・ザ・マネーのプット・スプレッド(現在の株価より低い水準を対象にしたプット=売る権利を組み合わせる取引)を売って、プレミアム(オプション料)を受け取る手法も選択肢だ。これは相場下支えを見込みつつ、損失範囲(リスク)をあらかじめ区切りやすい。
このような強い信用(融資)増加は、足元のインフレ率が約5.1%と下がりにくいこともあり、インド準備銀行(RBI)にとって難しい局面を示唆する。2022〜2023年の利上げ局面を踏まえると、RBIは景気の過熱を抑えるために金融引き締めを行ってきた経緯がある。近い将来の利下げ期待は、年後半へ後ずれしやすい。
そのため「金利は高い状態が長く続く」という見方に沿い、金利スワップ(将来の金利支払いを固定と変動で交換する取引)の活用を検討したい。具体的には、OIS(Overnight Index Swap:翌日物の短期金利を基準にした金利スワップ)で固定金利を支払う(Pay Fixed)取引は、RBIが6月会合で引き締め的(タカ派)姿勢を維持する可能性を市場が織り込み直す動きに賭ける形になる。国債利回り(債券の利回り=市場金利)の上昇、特に10年国債利回りが今月7.21%まで上がっていることも、この見方を裏付ける。
インドルピー(INR)も、このニュースを受けて堅調になりやすい。高金利が続く見通しは海外資金の流入を促しやすいからだ。2025年最終四半期のGDP成長率が7.5%と高かったこともあり、経済の基礎条件(ファンダメンタルズ)は通貨高を支えやすい。この見方は、USD/INR先物(ドル/ルピーの先物)を売る、あるいは対ドルでINRコール・オプション(ルピー高で利益になりやすい権利)を買うことで表現できる。