イングランド銀行(英中央銀行)のサラ・ブリーデン副総裁は金曜日、米国の番組で「中東の戦争により、市場のストレス(価格の急変や流動性〔売買の成立しやすさ〕低下)が同時に起きる可能性が高まった」と述べた。
また、過去の危機で見られた脆弱性(弱点)は消えておらず、民間市場(非上場の取引やファンドなど)、国債市場、割高な評価(資産価格が利益や成長に比べ高すぎる状態)など別の領域に移っているとした。
Middle East War Raises Coinciding Market Stress Risk
ブリーデン氏は、レバレッジ(借入などで資金を増やすこと)、複雑性(商品や取引の仕組みが分かりにくいこと)、集中(取引や保有が一部に偏ること)、不透明性(情報が見えにくいこと)を挙げ、これらが同時に表面化すれば市場は「荒れた展開」になり得ると警告した。
発言後もポンドの反応は限定的だった。GBP/USD(英ポンド/米ドル)は取引開始以降、1.3530近辺で小幅な値動きにとどまった。
Hedging Strategies While Volatility Is Low
株式の評価が割高な中、主要株価指数に対するプットオプション(一定価格で売る権利。下落への保険)を検討したい。長期保有の資産を売らずに、急落リスクを抑えられる。
2022年の英国債(ギルト)市場の混乱は、国債市場が短期間で崩れる可能性を示した例だ。世界のプライベート・クレジット(非公開の融資市場)は2.2兆ドル超とされ、レバレッジが懸念材料になりやすい。高利回り債ETF(利回りの高い社債に連動する上場投資信託)のオプションや、信用デフォルト・スワップ(CDS:企業の債務不履行に備える保険的な取引)も候補となる。
中東の地政学リスクは海上輸送路にも影響し、エネルギー市場に直結する。供給が乱れれば、ブレント原油は再び急騰する恐れがあるため、原油先物の長期コールオプション(一定価格で買う権利。上昇への備え)で備える方法がある。
為替では、リスク回避局面(投資家が危険資産を避ける局面)で安全通貨とされる米ドルが強くなりやすい。GBP/USDが落ち着いている間に、ポンド安に備える戦略も考えられる。GBP/USDのプットオプションは、損失を限定しつつ1.3500割れの急変に備える手段になる。