ネットフリックスは2026年3月期(四半期)の売上高が122億5,000万ドルとなり、前年同期比16.2%増だった。1株当たり利益(EPS、最終利益を発行済み株式数で割った指標)は1.23ドルで、前年の0.66ドルから増加した。
売上高はザックスの市場予想(コンセンサス)121億7,000万ドルを上回り、予想比0.65%の上振れとなった。EPSも市場予想0.76ドルを上回り、予想比61.84%の大幅な上振れとなった。
米国・カナダ(UCAN)では売上高が52億5,000万ドルと、アナリスト6人の平均予想52億9,000万ドルを下回ったものの、前年同期比では13.6%増だった。アジア太平洋(APAC)は15億1,000万ドルで、予想14億8,000万ドルを上回り、前年同期比19.9%増。
中南米(LATAM)は15億ドルと、予想14億8,000万ドルを上回り、前年同期比18.6%増。欧州・中東・アフリカ(EMEA)は40億ドルで、予想39億1,000万ドルを上回り、前年同期比17.4%増。
最大の注目点はEPSの大幅な上振れで、株価の上昇圧力が強まりやすい。決算通過後は、ネットフリックス株のオプション(将来の売買をあらかじめ決めた条件で行える権利)に織り込まれていた予想変動率(インプライド・ボラティリティ、将来の値動き見通しを数値化したもの)が急低下した可能性がある。水準が高い局面ではオプション料(プレミアム)が割高になりやすい一方、低下後は「高い保険料を売って受け取る」側が相対的に有利になりやすい。
海外市場が堅調、とくに欧州とアジア太平洋が強いことから、株価が当面大きく下がらない前提で、行使価格が現値より低いプットのスプレッド売り(プット・クレジット・スプレッド。低い行使価格のプットを買い、高い行使価格のプットを売って、受取プレミアムを狙う戦略)を選好しやすい。EPSが61.84%上振れした事実は、短期的な下振れに対する投資家心理の下支えになりやすい。
一方で、同社で最も成熟した市場であるUCANで売上高がわずかに予想未達となった点は注意が必要だ。国内(北米)の成長が頭打ちになりつつある可能性を示し、過去にも株価上昇の上値を抑える要因になってきた。この1点が、慎重姿勢や弱気の見方を支える主な根拠となる。
決算後の上昇が北米売上高を理由に行き過ぎとみるトレーダーには、コールのクレジット・スプレッド(コール・クレジット・スプレッド。低い行使価格のコールを売り、高い行使価格のコールを買って、受取プレミアムを狙い、損失上限を限定する戦略)という選択肢がある。株価が横ばい、または緩やかに下落すれば利益が出やすい。UCAN売上高が予想52億9,000万ドルに対して52億5,000万ドルだったことは、上昇の勢いが鈍る可能性を示す材料になり得る。