中国の実質GDP(物価変動の影響を除いた国内総生産)は2026年1~3月期(1Q26)に前年比5.0%増となり、政府目標レンジ(4.5%~5.0%)の上限に達した。2026年の成長見通しは4.7%で維持し、今後3四半期は前年比4.6%~4.8%増を想定する。
外部リスクとして、供給網の混乱(部品・原材料の供給遅れ)、原油価格の高止まり、中東情勢の悪化、対米輸出に影響し得る米国の通商調査が挙げられる。国内では需要と景況感が弱く、地方政府の財政は景気下支え策の余地を狭めていると説明される。
前月比(小さな景気の変化を捉える指標)ではプラス成長が続き、1月は1.68%、2月は0.99%、3月は0.52%の伸びとなった。これは直前の3カ月間のマイナス成長の後に回復した形だ。ハイテク分野への投資拡大(先端技術・デジタル関連への設備投資など)を進める方針が示される一方、投資全体の先行きには不透明感が残る。
2026年の消費者物価指数(CPI、家計が購入するモノやサービスの価格の平均的な動き)の見通しは1.3%と、政府目標の2%を下回る。政策手段としては、精製品(ガソリン・軽油など)の小売価格の調整や、必要に応じた補助金で物価上昇圧力を抑える可能性が言及される。
景気が底堅く、インフレも抑制されていることから、短期的な利下げは起きにくいとの見方が強い。それでも政策金利(中央銀行が景気や物価を調整するために動かす基準金利)を10ベーシスポイント(0.10%)引き下げる予測は維持するが、時期は2026年4~6月期(2Q26)から7~9月期(3Q26)へ後ろ倒しとなり、広範な緩和よりも的を絞った資金供給や構造改革策を重視する。