コメルツ銀行のマイケル・フィスター氏は、2025年初からG10通貨と新興国(EM)通貨のキャリートレードが、帳簿上(未実現)の利益を大きく伸ばしていると述べた。同氏はこの背景として、イランを巡る情勢に伴う市場の動きや、ブラジル・レアルやメキシコ・ペソといった高金利通貨(政策金利などが高く、金利収入が得やすい通貨)を挙げた。
同氏によれば、G10のキャリー戦略は第1四半期に、金利収入(保有で得られる利息)だけを狙う場合を上回る成績だった。金利収入に加え、為替レートの変動(通貨高・通貨安)がポジションに有利に働いたためだという。
一方でフィスター氏は、キャリー戦略が長期で一貫して市場を上回るという統計的な根拠(データに基づく明確な裏付け)はないと指摘する。短期では、為替の動きがポジションの方向と一致した場合に成績が良くなりやすいとした。
また同氏は、EMのキャリー戦略は近年人気が高まっているとし、ブルームバーグの「EMキャリートレード指数」(新興国通貨のキャリー取引の成績を示す指数)は2025年初から非常に強いパフォーマンスを示していると述べた。
ただし同氏は、直近のEMキャリーの収益の多くは金利収入によるものだと警告する。為替変動による損益(為替要因)は、2024年の不振からなお回復途上にあるという。