INGのクリス・ターナー氏:リスク選好の強まりでドルは下押しされるも、持続的な下落局面入りの条件は依然整わず

    by VT Markets
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    Apr 16, 2026

    世界的にリスク資産が上昇し、米ドルには下押し圧力がかかっている。背景には、中東情勢が落ち着くとの見方に向けたポジション調整(投資家が保有比率を変える動き)や、株式、高金利の新興国通貨(利回りが高い通貨)へ資金を戻す流れがある。

    ただ、米ドルが持続的に下落する状況は、まだ主要条件がそろっていない。米金利(国債利回りなどの代表的な金利)は安定とされ、米資産への海外需要(外国人投資家の買い)は底堅い。世界景気には逆風(成長を押し下げる要因)も残る。

    FRB政策とインフレ環境

    米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を3.75%に置くことに大きな不安はないとみられている。労働市場(雇用の状況)が悪化しているとは見られず、二次波及的なインフレ(賃金やサービス価格に物価上昇が広がること)も強まっているとはされていない。

    エネルギー価格は高止まりしやすい一方、今回の上昇は2022年ほど大きな衝撃ではないとされる。金利は3月の動きが打ち消されておらず、金融環境(資金調達のしやすさ)は引き締まった状態にあることを示す。

    こうした引き締めは世界成長の重しとなり、今後数カ月の経済指標(発表される統計データ)に表れうる。目先の米ドルは、小幅な下落にとどまる見通しだ。

    米ドル指数(DXY、主要通貨に対する米ドルの強さを示す指数)が年初来安値の96へ早期に戻るとは見込まれていない。今後のFRB高官発言や、週次の新規失業保険申請件数(失業手当の申請数で、雇用の勢いをみる指標)が注目されるが、市場への影響は限定的とされる。

    米ドルポジションへの示唆

    1年前、米ドルの持続的な下落に必要な条件が整っているか疑問を呈したが、その慎重姿勢は正しかったとされる。米ドル指数(DXY)は104.50近辺で推移し、2025年初の96水準からは大きく離れている。2026年3月の消費者物価指数(CPI、家計が購入する品目の価格変化を示すインフレ指標)は前年比3.1%とやや強めで、インフレ抑制は終わっていないとの見方を補強した。

    この結果、FRBの再利下げ(金融緩和、政策金利の引き下げ)は起こりにくい。フェデラルファンド(FF)金利先物(将来の政策金利見通しを織り込む先物)では、2026年の利下げは「2回未満」を織り込む水準まで低下し、年初に見込まれていた4回から大きく変わった。通貨先物で米ドルの大幅下落に賭けるのはリスクが高い。

    世界成長の差も米ドルを支える。ユーロ圏のPMI(購買担当者景気指数、企業アンケートで景気の良否を測る指標)は2026年3月に50.9へ上昇し、小幅な拡大を示した。一方、米国は成長がより強く、1-3月期GDP(国内総生産、経済規模を示す指標)の推計は2.5%超で推移している。こうした成長格差が海外資金を米資産へ呼び込み、米ドルの下支えになる。

    デリバティブ(金融派生商品)取引では、単純な「米ドル売り」には慎重が求められる。代わりに、レンジ相場(一定の範囲内での値動き)やインプライド・ボラティリティ(IV、オプション価格から逆算される将来の変動期待)を利用する戦略が考えられる。例えば、EUR/USDなど主要通貨ペアでストラングル売り(上下に離れた権利行使価格のコールとプットを同時に売り、相場が大きく動かないほど有利になる手法)。DXYが103〜105で安定していることを踏まえると、米ドルがどちらにも大きく動かないことを前提に収益を狙うオプション戦略が現実的だ。

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