金(ゴールド)は約1%下落した。投資家のリスク選好(安全よりも株式など値動きの大きい資産を好む姿勢)が強まり、資金が米株へ向かった。S&P500種株価指数は7,000を上回り、過去最高水準に近い7,014近辺まで上昇。一方、金スポット(XAU/USD=金1トロイオンス<約31.1グラム>当たりの米ドル建て価格)は、4,871ドルで高値を付けた後、4,800ドルを下回って推移した。
トランプ米大統領が「戦争は終結に近い」と発言したことで、米国とイランの関係進展への期待が広がった。これを受け、地政学リスクで買われていた金の「安全資産需要」(不安局面で資金が集まりやすい需要)が一服した。米ドルが軟調だったにもかかわらず、金は上値が重かった。
主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数(米ドル指数)は0.06%安の98.05と、6週間ぶり安値の97.96近辺。米10年国債利回りは3ベーシスポイント(bp=0.01%)上昇し4.275%となった。市場では「年内は米連邦準備制度理事会(FRB=米国の中央銀行)が利下げしない」との見方が強まっている。
一方で緊張が解けたわけではない。米国によるホルムズ海峡封鎖が続いているためだ。ロイターによれば、取引(合意)の一環として、イランが船舶に対しオマーン側の航路利用を認める可能性があるという。
3月のPPI(生産者物価指数=企業が出荷する段階の物価。消費者物価より先行しやすい指標)は前年比4%上昇と、市場予想の4.6%を下回った(米労働省労働統計局=BLS)。内訳ではガソリンが15.7%上昇。金融市場では年末までの利下げ織り込みは合計8bpにとどまり(PMT)、インフレ率は3%近辺で推移している。
テクニカル面(価格チャートから相場の強弱を読む手法)では、金は4,899ドルで上値を抑えられて反落。まずは4,850ドルを回復できるかが焦点となる。下値メド(サポート)は4,750ドル、次いで4,700ドル。移動平均線(一定期間の平均価格で、トレンド確認に使う指標)は4,684ドル、4,640ドル付近に位置する。