DBSのフィリップ・ウィー氏:戦争を背景としたドル高は一服、DXYは今月、紛争前の水準近辺に戻ると指摘

    by VT Markets
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    Apr 15, 2026

    米ドルは、イラン紛争に伴う上昇分の大半を吐き出した。米ドル指数(DXY、主要通貨に対する米ドルの総合的な強さを示す指数)は今月1.8%下落して98.1。これは「オペレーション・エピック・フューリー」開始前に見られた97.6に近い。

    DXYは、イラン紛争を受けた上昇の8割超を失った。株式が底堅く推移し、ブレント原油(北海産の国際指標油)が過去1週間、概ね1バレル=100ドルを下回って推移したことが背景だ。

    市場は、ドナルド・トランプ大統領による4月8日の一時停戦(一定期間の戦闘停止)を受け、外交的決着の可能性を織り込み続けている。ただ、イスラマバードでの最初の協議は不調に終わった。

    米国がホルムズ海峡を封鎖(通航を妨げる措置)した後、EU諸国と中国は外交を促す動きを強めた。最悪の原油ショックのシナリオは「一部抑え込まれている」とされる一方、紛争は終結していない。

    記事は、米国の同盟国が中東の紛争を全面戦争へ拡大させる行動を支持していないと指摘した。

    2025年のイラン紛争でも、同様の動きが鮮明だった。「オペレーション・エピック・フューリー」の報道で米ドルは一時急伸したが、欧州・アジアの同盟国がエスカレーション(対立や戦闘の拡大)支持を拒否し、DXYは上昇分の8割超を早期に吐き出した。この「緊張緩和が相場を落ち着かせる」という教訓は、現在の戦略でも重要だ。

    この「型」は、南シナ海で米中の緊張が高まる局面でも繰り返されている。CBOEボラティリティ指数(VIX、S&P500の予想変動率=市場の不安度を示す指標)は先週28まで急上昇したが、その後は19を下回る水準へ低下した。地域の主要国が外交ルートを優先したためで、市場が最悪シナリオ(最も悪い事態)の織り込みを過去より速いペースで外していることを示す。

    初期の「安全資産への逃避」(リスク回避で比較的安全とされる資産へ資金が移動すること)は、短期取引になりつつあり、上昇局面で売りを検討しやすい。たとえば、USD/JPY(ドル円)は海軍の示威行動(軍事力を誇示する動き)で145まで下落したが、ASEANが緊急のG20会合を求め、交易路の確保が重視されると、すでに151まで戻した。米ドル高は「紛争がないから」ではなく、「国際的に拡大を抑える圧力が強いから」抑えられている。

    原油市場も同じ現実を映す。WTI原油先物(米国指標の原油先物価格)は一時95ドルに達したが、その後は88ドル近辺へ低下。OPEC+(OPECと非加盟の主要産油国による協調枠組み)が、局地的な衝突(限定された範囲の紛争)で生産を絞る(供給を減らす)兆しを示していないためだ。エネルギー価格が抑えられると、インフレ不安が長引きにくくなり、中央銀行がより強い金融引き締めで対応せざるを得ない状況(結果として米ドル高になりやすい状況)を避けやすい。

    そのため、トレーダーは、地政学ショック(紛争など政治・安全保障要因による市場変動)で生じる米ドル高を、外交を重視する国の通貨に対して売ることを検討すべきだ。DXYのアウト・オブ・ザ・マネーのコール(現在の水準から大きく上で利益が出る買う権利)を売る、あるいは急騰後にボラティリティにプット(下落で利益が出る売る権利)を買う戦略は一案となる。こうした「反射的な米ドル上昇」は一時的である可能性が高い。

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