ハンガリー・フォリントは過去1年、近隣地域の他通貨を上回る上昇となった。背景には、政治の転換への期待と、EU(欧州連合)との関係改善観測がある。ユーロ上昇局面で恩恵も受けた。
4月の2026年総選挙で野党ティサが大勝し、市場の反応は強まった。結果は憲法改正が可能な3分の2超の議席(憲法上の特別多数)につながり、投票率も過去最高水準だった。
選挙結果を受け、コメルツ銀行はフォリント見通しを上方修正した。報告書は、ハンガリーがEU内で孤立している状態が和らぎ、凍結されていたEU資金の拠出が再開されるとの期待を理由に挙げた。
この記事はAI(人工知能)ツールを用いて作成し、編集者が確認した。
ティサの大勝はフォリントにとって構造変化(短期の材料ではなく、中期の流れを変える要因)で、今後数週間の明確なトレンドを作る可能性がある。ポーランドでも2023年末の選挙後、親EUの新政権が誕生し、ズロチは対ユーロで数カ月に約5%上昇した。フォリントは対ユーロ・対ドルで強含みが続く展開を想定したい。
対応策としては、HUFコール・オプション(フォリントを将来あらかじめ決めた価格で買う権利)の購入、あるいはより直接的にはEUR/HUF先物(ユーロ/フォリントの将来取引)の売りが考えられる。ニュースでインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の変動の大きさ)が上がり、オプション価格(プレミアム)が高くなりやすい。ただ、方向感の強い動きが続けば、そのコストを上回る可能性がある。過去を見ると、2025年の安定局面では1カ月物のEUR/HUFの変動率は概ね8〜10%だったが、今回の政治材料は短期的により高い上乗せを正当化し得る。
主要な材料は、凍結されていたEUの結束基金・復興資金(加盟国の地域格差是正や景気回復を支える補助金・融資)20億ユーロ超の解除期待だ。この資金がハンガリー経済に流入すれば、国際収支(海外との取引の出入り)や投資家心理が改善しやすい。市場の織り込みは始まったばかりとみられる。
金融政策では、ハンガリー国立銀行(MNB)にも注意が必要だ。MNBは2025年を通じ、インフレ抑制のためEUでも高い水準の政策金利(中央銀行が設定する基準金利)を維持した。フォリント高は輸入物価を抑え、インフレ圧力を弱めるため、年後半の利下げ検討につながり得る。ただ当面は情勢を見極め、高金利を維持する可能性が高い。高い金利は資金流入(利回りを狙った投資)を呼びやすく、通貨の下支えとなる。
目先は、EUR/HUFが下がりやすい(ユーロ安・フォリント高になりやすい)展開が想定される。市場は、政策改革が速く進み、EU関係が早期に立て直されるという最良シナリオを織り込みにいく可能性がある。したがって、EUR/HUFのショート(ユーロ/フォリントの売り持ち)を維持し、2020年代初頭のエネルギー危機前の水準を視野に入れたい。