イラン国営メディアIRIBは、イランの「ハタム・アル・アンビヤ中央司令部」の報道官が月曜の欧州市場時間に、米国がイランの港に出入りする船舶を封鎖する計画をテヘランは非難すると述べたと伝えた。
月曜早朝、ドナルド・トランプ米大統領はSNS「Truth Social」への投稿で、米国が4月13日午前10時(米東部時間、GMT14時)に、イランの港へ入出港する船舶を封鎖すると表明した。
イラン、米封鎖計画に反発
報道官は、イランの安全が脅かされれば、ペルシャ湾の港の安全は確保されないと主張した。さらに、米国による船舶の移動制限は違法であり、「海賊行為」だと批判した。
また、イランの「敵」に関連する船舶はホルムズ海峡の通過を認めないと述べた。ホルムズ海峡(ペルシャ湾と外洋を結ぶ狭い海の通り道)は世界の原油輸送の要所で、ここが滞れば供給不足につながりやすい。封鎖(港の出入りを止める措置)と海峡をめぐる応酬が続けば、エネルギー市場は価格変動が大きくなる可能性がある。
2019年にはサウジアラビアの石油施設への攻撃を受け、原油価格が一日で急騰した例がある。ブレント原油先物(北海ブレントを指標にした原油の先物取引)は一時約20%上昇し、供給不安が短時間で価格に織り込まれることを示した。
変動リスクに備える金と株式のヘッジ
米国とイランの直接対立が意識されれば、市場全体に不安心理が広がる可能性がある。VIX(株式市場の不安の度合いを示す「恐怖指数」。S&P500のオプション価格から算出される指標)は現在の水準から大きく上振れするリスクがある。
地政学リスクが高まる局面では、安全資産(価格が比較的下がりにくいとされる資産)とされる金に資金が向かいやすい。2022年初めのウクライナ情勢の局面では、金価格が数週間で大きく上昇した。
エネルギー価格の上昇と紛争拡大の懸念は、世界の株式市場に逆風となり得る。原油高によるインフレ圧力と、投資家がリスクを取りにくくなる「リスク回避」の流れが重なれば、S&P500などの株価指数の重しになりやすい。