カナダドルは週明け月曜早朝、対米ドルで2週間ぶり高値の1.3844から反落した。米ドルが「安全資産(リスク回避局面で買われやすい通貨)」として買われ、USD/CAD(米ドル/カナダドル)は上昇した。
週末に和平協議が決裂し、米国とイランの軍事衝突が再び激化したことが背景だ。停戦合意は「危機にある」と伝えられた。
地政学リスクで米ドルが上昇
ドナルド・トランプ米大統領はホルムズ海峡の封鎖を実施すると述べた。さらに、イランへの限定的な軍事攻撃を再開する可能性も検討しているという。
一方、USD/CADの上昇は限定的だった。中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰したためだ。原油高は、エネルギー輸出国であるカナダの通貨(カナダドル)を下支えしやすい。
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート=米国の代表的な原油指標)は週明けに「窓(前日終値より高い水準で始まること)」を開けて上昇し、早朝取引で最大8%高となった。執筆時点では1バレル=100ドルの再試行を視野に入れていた。
ボラティリティ上昇局面のオプション戦略
現在(2026年4月13日)は、供給網への不安(サプライチェーン懸念)が再燃し、似た構図がみられる。直近報道によれば、カナダのインフレ率は2.9%と高止まりし、カナダ銀行(中央銀行)は利下げに慎重になりやすい。一方、WTIはすでに1バレル=92ドルまで上昇している。こうした中、米ドル指数(DXY=主要通貨に対する米ドルの強さを示す指数)は、世界的なリスク回避を受けて105.50近辺で推移している。
足元の環境は、USD/CADのオプション市場で織り込まれている「予想変動率(インプライド・ボラティリティ=市場が想定する将来の値動きの大きさ)」が、地政学リスクに比べて低い可能性を示す。昨年の急変動を踏まえると、トレーダーはストラドル(同じ権利行使価格でコールとプットを同時に買う)やストラングル(異なる権利行使価格でコールとプットを買う)を検討し、大きな上下変動から利益を狙う手がある。方向性ではなく「不確実性」そのものを取る戦略だ。
また、原油の上昇余地が大きいと見る場合、USD/CADを売るより、原油先物のコールオプション(将来、一定価格で買う権利)を買う方が、より直接的な投資手段になり得る。2022年のエネルギー危機では、原油価格はカナダドルよりも速く大きく動いた。原油デリバティブ(先物やオプションなど、価格変動を利用する金融商品)は、地政学リスクをよりストレートに表現しやすい。
最大のリスクは、情勢が急速に沈静化することだ。その場合、ボラティリティが低下し、オプション買い(プレミアム=オプション価格の支払い)が不利になりやすい。したがって、建玉(ポジション)を大きくしすぎないこと、利確目標を明確にすることが重要となる。