米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、S&P500の非商業部門(NC、主に投機筋)のネットポジションは-4.57万枚まで低下した。前回は-4.25万枚だった。
これはネットポジションが-0.32万枚(-3,200枚)変化したことを示す。いずれもゼロを下回っている(売り越し)。
足元では、大口投機家がS&P500の下落に賭ける動きを強めている。ヘッジファンドなどを含むこれら投機筋のネットショート(売り持ち)残高が拡大し、先物市場で弱気(ベア)の見方が強まっていることを示唆する(ベア=相場下落を想定すること)。
この慎重姿勢は、今週発表された最新のインフレ指標に関連している可能性が高い。2026年3月の消費者物価指数(CPI、消費者が購入する商品・サービスの価格変動を示す指標)は前年比3.1%となり、市場予想の2.9%を上回った。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行)による利下げが第3四半期(7〜9月)より前に実施される可能性は低下した。
市場はこの結果を受けて直近高値から調整し、S&P500は過去2週間で2.5%下落した後、50日移動平均線(過去50日間の平均値で、短中期のトレンド判断に用いられる)を試す局面にある。これに伴い、VIX指数(市場が見込む将来の値動きの大きさ=予想変動率を示す指標、いわゆる「恐怖指数」)は20をやや上回る水準へ上昇した。これは2025年末の短期的な不安局面以来の高水準だ。
投資家にとっては、保有する株式の上昇ポジション(ロング、値上がりを見込む持ち高)をヘッジ(損失を抑えるための保険)する局面かもしれない。SPXやSPY(S&P500に連動する代表的な指数・ETF)でプットオプション(一定価格で売る権利。下落時の保険として使われる)を買うことで下落リスクを抑えられる一方、VIX上昇によりオプションの価格(プレミアム、権利の代金)は上がりやすい(高くなりやすい)。また、アウト・オブ・ザ・マネー(現時点で権利行使しても得にならない水準)のコール(買う権利)を使ったクレジット・スプレッド(複数のオプションを組み合わせ、受け取るプレミアムを狙う手法)を売って、弱気見通しを維持しつつプレミアム獲得を狙う戦略も考えられる。