リスク選好の改善を背景に、金曜のGBP/USDは上昇した。パキスタンで予定される米国・イラン協議を前に買いが入り、1.3461(+0.20%)で取引された。
米3月CPI(消費者物価指数=消費者が購入する財・サービスの価格の伸びを示す指標)は前年比+3.3%と市場予想に一致し、2月の+2.4%から上昇した。コアインフレ率(食品・エネルギーなど変動の大きい項目を除いた物価)も+2.5%から+2.6%へ上昇したが、予想(+2.7%)を下回った。
Dollar Reaction And Sentiment
発表後、米ドル指数(主要通貨に対するドルの強さを示す指数)は0.13%安の98.66と、約4週間ぶりの低水準近辺まで下落した。ミシガン大学の消費者信頼感指数は4月に47.6へ低下(3月53.3、予想52)。
調査ではエネルギー費用の上昇が指摘され、ガソリン価格は1ガロン4ドルとされた。1年先インフレ期待(1年後の物価上昇見通し)は3.8%から4.8%へ上昇し、5年先は3.2%から3.4%へ上昇した。
LSEGデータによると、英国の金利見通しでは2026年の引き締め期待が32bp(ベーシスポイント=金利の単位で0.01%)から42bpへ上昇した。来週は英小売売上高とGDP(国内総生産=国全体の付加価値の合計)に加え、米国の住宅指標、PPI(生産者物価指数=企業段階の物価)、雇用関連統計、中央銀行関係者の発言が予定される。
チャートではGBP/USDは50日・100日・200日SMA(単純移動平均=一定期間の平均値で方向感を見る指標)が位置する1.3435近辺を上回って推移した。下値の目安は1.3035近辺、上値は約1.3869からの下降トレンドライン(高値を結んだ下向きの線)に沿う水準とされる。
Geopolitical Risk And Hedging
主因は地政学リスクの緩和(対立の沈静化)で、エネルギー価格を大きく押し下げる可能性がある。WTI原油先物(米国の代表的な原油価格。先物=将来の受け渡し価格をあらかじめ決める取引)でも、6月限は110ドル超から1バレル102ドル近辺まで戻しており、停戦合意への期待が意識されている。2015年のイラン核合意枠組み時の値動きを参考にすれば、正式合意となれば原油がさらに10〜15%下落する可能性があり、ドル安の材料になり得る。
一方で協議が決裂するリスクは大きく、備えが必要だ。米消費者心理が弱いのはガソリン高が主因であり、悪材料が出れば「リスク回避」(安全資産志向)に急速に傾き、ドル高になりやすい。急変に備え、主要なサポートである1.3435を下回る行使価格のGBP/USDプットオプション(売る権利。相場下落時の保険)を、アウト・オブ・ザ・マネー(現値より不利な行使価格で保険色が強い)で安く買う戦略が選択肢となる。