米国の2月の製造業受注(工場受注)は前月比0%だった。市場予想は▲0.2%だった。
結果は予想を0.2ポイント上回り、受注が前月から横ばいだったことを示す。
工業系の受注は底堅さを示す
2月の工場受注が、減少予想に反して前月比0%(横ばい)となったことは、工業分野(製造業を中心とする産業)の底堅さを示す。製造業の落ち込みが想定ほど深刻ではない可能性がある。短期的には、工業株や関連指数の下振れリスクがやや後退する。
今回の内容は、3月のISM製造業景況指数(PMI:企業への調査を基に景気の強さを示す指標)が50.3に上昇し、1年以上ぶりに拡大(50超は景気拡大)を示したこととも整合的だ。一方、直近のCPI(消費者物価指数:物価上昇率を示す指標)が前年比3.2%と高止まりしており、FRB(米連邦準備制度理事会:米国の中央銀行にあたる組織)には近い時期の利下げ(政策金利の引き下げ)を急ぐ理由が乏しい。したがって、早期の金融緩和への転換を見込むオプション取引の戦略は見直す必要がある。
2025年の一部でも、景気指標の弱さが見られても、インフレが粘着的(下がりにくい)だったため、FRBはすぐに利下げに動かなかった。市場は当時、金融政策よりも企業業績や業種ごとの強さに焦点を当てやすかった。こうした背景から、金融政策全体への賭けより、個別企業の材料に基づく取引を重視したい。
足元では市場の変動率が低く、VIX(米国株の予想変動率を示す指数)が14近辺で推移している。こうした環境では、XLIなどの工業株ETF(上場投資信託:指数に連動するよう設計された上場商品)でプットオプション(一定価格で売る権利)を売る戦略が選択肢になり得る。オプションのプレミアム(受け取る対価)を得つつ、このデータが示す底堅さを背景に、セクターが下げ止まることを見込む形だ。今後数週間で安定が続くかを確認し、より強い買い姿勢にするか判断したい。