英ポンドは金曜日、主要通貨の多くに対して上昇したが、欧州通貨に対しては伸び悩んだ。欧州時間の取引では、対米ドルで1.3444近辺だった。
材料となったのは、4年に及ぶロシア・ウクライナ戦争をめぐり、和平合意に向けた進展が報じられたことだ。ブルームバーグは、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の上級顧問が「ロシアとの合意に近づいている」と述べたと伝えた。
対ドルのポンド見通し
UOB(ユナイテッド・オーバーシーズ銀行)は、GBP/USD(英ポンド/米ドル)の短期見通しについて、1.3450超への上昇を受けてなお強含みだとした。上値は1.3520を意識できるものの、日足(1日単位の取引終了時点)の終値で1.3480を上回ることが条件になると指摘した。
下値のめど(サポート=下落時に買いが入りやすい水準)は1.3330とした。日中は1.3390〜1.3465のレンジ(一定の値幅内での推移)を想定するとしている。
また、4月8日(水)にスポット(現物レート)が1.3400だった時点の見方にも言及し、上昇が行き過ぎに見えても1.3480まで上値余地があるとみていたとした。
2026年6月のオプション戦略
足元は別の要因が主導している。英中銀(イングランド銀行)は、2026年3月の英インフレ指標(物価上昇率)を受けて、よりタカ派(金融引き締め=利上げに前向き)姿勢を強めた。消費者物価は前年比3.2%の上昇だった。さらに、2026年1-3月期の英GDP(国内総生産=国の付加価値の合計)の伸びも0.5%と市場予想を上回り、ポンドを支えやすい経済環境になっている。
こうした状況を踏まえると、満期(期限)が2026年6月で、権利行使価格(あらかじめ決めた売買価格)が1.3600近辺のGBP/USDコール・オプション(期日までに決めた価格で「買う権利」)を買う戦略に妙味がある。英中銀の利上げ観測による上昇余地を狙いつつ、支払うオプション料(プレミアム)に損失を限定できる(損失限定型)点が特徴だ。
一方、米国の雇用指標も強い。2026年3月のNFP(非農業部門雇用者数=農業以外の雇用増減を示す重要指標)は25万人を上回り、FRB(米連邦準備制度理事会)も金融政策の調整余地が残る。リスク管理の観点からは、ブル・コール・スプレッド(低い行使価格のコールを買い、高い行使価格のコールを売る組み合わせ。コストを抑える代わりに利益上限がある)も選択肢となる。