スウェーデンの2月の鉱工業生産(工場などで生み出される生産の金額)は前年同月比7%増となった。前回(1.9%増)から伸びが加速した。
今回の更新では、2月の年間伸び率が前期間より速かったことが示されたが、内訳(業種別など)の詳細は公表されていない。
金融政策への示唆
2月の鉱工業生産が前年同月比7%増となったことは、スウェーデン経済の底堅さを示す重要な材料だ。市場予想(コンセンサス、複数の予測の平均)を約2.5%と見込んでいた水準を大きく上回り、従来の見通しの修正を促す。これにより、リクスバンク(スウェーデン中央銀行)のハト派(金融引き締めに慎重で、利上げを急がない姿勢)スタンスは見直し圧力を受けやすい。
このデータはスウェーデンクローナ(SEK)に上昇圧力となり得る。クローナは直近1カ月、対ユーロで1ユーロ=11.35クローナ近辺で弱含んでいた。今後数週間で1ユーロ=11.10方向へのクローナ高を想定し、クローナのコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)の購入、またはユーロに対するプットの売り(将来、決めた価格で売る権利を相手に与える取引)を検討したい。市場は年内利上げの可能性を小さく織り込むにとどまるが、今回の統計はその見方を揺さぶる。
株式市場では、工業株の比重が高いOMXS30(スウェーデン主要株価指数)が追い風を受けやすい。工業株が指数の30%超を占めるため、欧州株全体に対して相対的に堅調となる展開が見込まれる。戦略としては、OMXS30先物を用いたコール・スプレッド(コールの買いと売りを組み合わせ、コストと利益の上限を抑える手法)で、1月以降上抜けできていない2,550を明確に上抜ける局面を狙う。
ボラティリティ(価格変動)とポジショニング
発表後、短期のSEK通貨オプションのインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の変動率)が7%から9%に上昇し、金融政策の変化を意識した動きが出ている。プレミアム(オプション価格)が高い局面を生かし、アトラスコプコやボルボABなど工業株のアウト・オブ・ザ・マネー(権利行使しても得になりにくい水準)のプットを売ることで、プレミアム収入を得つつ、強い統計が株価の下支えになるとの見立てに沿った運用が可能になる。