サウジアラビアの金価格は金曜日、おおむね横ばいだった。FXStreetのデータによると、金は1グラム当たり574.61サウジリヤル(SAR)と、木曜日の575.00SARと比べてほぼ変わらなかった。
1トラ(tola=南アジアなどで使われる重量単位、約11.66グラム)当たりでは6,702.19SARと、前日の6,706.69SARから小幅に下落した。ほかに、10グラム当たり5,746.14SAR、1トロイオンス(troy ounce=貴金属取引で用いられる重量単位、約31.1035グラム)当たり17,872.51SARが示された。
サウジ金価格の概要
FXStreetは、国際的な金相場を米ドル/サウジリヤル(USD/SAR)の為替レートで換算し、現地の重量単位に置き換えてサウジの金価格を算出している。価格は公表時点の市場レートを用いて日次更新されるが、実際の現地価格とはわずかに異なる場合がある。
中央銀行は金準備(外貨準備の一部として保有する金)を最も多く保有する主体だ。世界金協会(World Gold Council)によれば、2022年に中央銀行は1,136トン(約700億ドル相当)を買い増し、統計開始以来で最大の年間購入となった。
金は米ドルや米国債と逆方向に動きやすい(ドル高・米国債利回り上昇が金の重しになる傾向)一方、株式などのリスク資産(景気や投資家のリスク選好に左右されやすい資産)とも相反する動きを見せることがある。地政学リスク(戦争や外交対立など)、景気後退懸念、金利の変化にも反応しやすい。
中央銀行需要と相場を動かす要因
金の下支えは、中央銀行による買いが続いていることで強い。先週公表された世界金協会のデータでは、2026年1〜3月(第1四半期)に世界の中央銀行が準備に228トンを追加し、2025年を通じて見られた積極的な購入傾向が継続した。これが価格の下値を支え、大きく下落しにくくする要因になっている。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB=米国の中央銀行)の最近の「タカ派」姿勢(インフレ抑制を優先し、利下げに慎重な姿勢)は金価格の重しだ。2025年の利下げ後、市場は追加の金融緩和を見込んでいたが、2月と3月のインフレ指標が高止まりしたことで、FRBは利下げをいったん見送る(利下げ停止)可能性を示唆している。これにより短期金利の見通しが押し上げられ、利息を生まない資産である金の保有コスト(機会費用=金利が付く資産を持っていれば得られたはずの利回り)が増える。
このFRB方針の変化は米ドルを押し上げ、ドルは主要通貨バスケットに対して直近で4カ月ぶり高値を付けた。ドル高は、他通貨の保有者にとって金の購入コストを高め、需要を弱めやすい。こうした逆相関が金の上値を抑える局面になっている。
それでも地政学リスクが下支えとなり、「安全資産」への買い(有事に値持ちしやすい資産を買う動き)は続いている。米中間の貿易摩擦が再燃し不透明感が強まるなか、一部投資家はリスク回避の備えを求めている。こうした緊張を踏まえると、コールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を2カ月程度の期限で買い、急な情勢悪化に備える手法が検討対象となる。
デリバティブ(金融派生商品=原資産価格に連動する取引)市場では、金オプションのインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の価格変動の大きさ)が2025年末に見られた低水準からやや上昇した。これは、足元の安定した値動きより大きな変動を市場参加者が見込んでいることを示す。今後数週間は、どちらの方向にも大きく動く局面に備え、ロング・ストラドル(同じ権利行使価格・期限のコールとプットを同時に買い、上下どちらの大きな変動でも利益を狙う戦略)といった手法が選択肢になり得る。