高市早苗首相、日本は5月上旬以降に約20日分の追加石油備蓄放出の可能性と発言

    by VT Markets
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    Apr 10, 2026

    高市早苗首相は、政府が5月上旬から追加の石油備蓄(国が保有する非常時用の原油の備え)を約20日分放出する案を検討していると述べたと、ロイターが金曜日に報じた。国内のエネルギー供給(発電や産業、交通で使う燃料の不足を防ぐこと)を安定させる狙いだ。

    この計画は、米国とイランが直近で2週間の停戦に入ったにもかかわらず、ホルムズ海峡で船舶輸送の混乱が続いていることを受けたもの。混乱により、輸送と供給ルート(原油を運ぶ経路)への懸念が強まっている。

    片山さつき財務相は、足元で石油不足の差し迫ったリスクはないと述べた。また、不足の可能性に備える対策について、政府として現時点で議論できる状況にないとも語った。

    備蓄放出が市場に与える影響

    日本が5月から石油備蓄を放出する計画は、期近(すぐに受け渡し期限が来る)原油先物(将来の価格で原油を売買する契約)に下押し圧力をかける可能性がある。市場は新たな供給(市場に出回る原油)を消化する必要があり、短期的には価格が下がりやすいシグナルとみる。ただし、この動きは深刻な地政学リスク(国際対立や紛争など政治要因)への対応であり、需要の基調が変わったことを意味しない。

    重要なのはホルムズ海峡の2週間停戦で、極めて不安定とみる。世界の石油消費量の約2割がこの海峡を通過するため、衝突が再燃すれば、価格は急騰し、日本の放出による影響を大きく上回り得る。この緊張を踏まえると、長めの期限のコールオプション(一定の期限までに決められた価格で買う権利)を買って急騰リスクに備える「ヘッジ」(損失を抑える保険のような取引)は合理的だ。

    短期の弱材料(放出による供給増)と、長期の強材料(地政学の不安定)という典型的な綱引きが起きている。2022年の米国の戦略備蓄放出(国家備蓄)の大規模放出も、価格を下げたのは一時的で、その後は需給の現実が再び影響した。今回の放出も、短期間だけ強気ポジション(値上がりで利益を狙う持ち高)を相対的に低い価格で作る機会になり得る。

    ボラティリティ戦略の検討

    首相と財務相の発言が食い違っているため不確実性が高まり、通常はオプションのプレミアム(オプション価格、保険料に相当)が上がりやすい。原油の価格変動率(ボラティリティ、価格がどれだけ動きやすいかの指標)は、2025年に紅海での混乱が始まった時期に高水準の35%前後で推移していたが、5月に近づくにつれ再び上昇すると見込む。最終的な値動きの方向に関係なく、変動そのものから利益を狙う戦略も検討に値する。

    日本は原油輸入の9割超を中東に依存しているため、首相の動きは政府の警戒感をより強く示すサインとみられる。向こう数週間は下押し、その後は夏にかけて大きな上振れリスクがあるとの見方で、ポジション構築を提案する。カレンダースプレッド(限月が異なる先物を組み合わせる取引)として、5月または6月限を売り(ショート、下落で利益を狙う)、8月限を買う(ロング、上昇で利益を狙う)組み合わせは、この局面を狙う方法になり得る。

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