AUD/USDは木曜日に0.56%上昇し、4日続伸となった。0.7100に接近し、3月下旬以来の水準。時間足では200期間の指数平滑移動平均(EMA:直近の値動きをより重視する移動平均)である0.6950近辺を上回って推移している。一方、ストキャスティクスRSI(買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は80を再び上回った。
背景には、米国が対イラン軍事作戦を2週間停止したことがある。これは、イランがホルムズ海峡(中東の主要な原油輸送路)を再開したことと関連している。また、イスラエルがレバノンでの作戦を停止するかどうかも不透明で、これがイラン側の条件の一部として報じられている。
米インフレ指標に注目
米国の2月個人消費支出(PCE:米家計の消費を基にしたインフレ指標)価格指数は、予想を上回る/概ね一致する内容だった。総合PCEは前年比2.8%(予想2.6%)、コアPCE(食品・エネルギーを除く、基調インフレを示す)は前年比3.0%。いずれも前月比は0.4%上昇した。
3月の米消費者物価指数(CPI:消費者が購入するモノやサービスの価格変動を示す指標)は金曜日12:30(GMT)に発表予定。FactSet予想では、総合CPIは前月比0.8%、前年比は約3.1%〜3.3%。コアCPIは前月比0.2%〜0.3%、前年比2.7%と見込まれている。
日足では、AUD/USDは0.7084で推移。50日EMA(0.6967)と200日EMA(0.6752)を上回っている。サポート(下値の目安)は0.7084、次いで0.6967、0.6752が挙げられ、ストキャスティクスRSIは57近辺。
オプションとボラティリティ戦略
主要な経済指標の発表前後は、インプライド・ボラティリティ(IV:オプション価格に織り込まれた将来の変動率見通し)が上がりやすい。こうした局面では、ロング・ストラドル(同じ権利行使価格でコールとプットを同時に買う)やロング・ストラングル(異なる権利行使価格でコールとプットを買う)といった戦略が選択肢となる。方向に関係なく大きな値動きが出れば利益になり得るためだ。
また、豪ドルのファンダメンタルズ(基礎的な経済環境)も強いとは言いにくい。豪州経済に影響が大きい鉄鉱石価格は、足元で1トン当たり100ドルを下回り、前年水準から大きく低下している。材料面の弱さを踏まえると、AUD/USDの上昇局面は上値が重くなりやすく、過度な楽観は禁物となる。
テクニカル面では、移動平均線を売買の目安として用いる考え方が有効だ。重要な移動平均線を明確に下抜けてその水準を維持する場合、小さな調整がより大きな下落基調に変わるサインになり得る。