米国は30年国債の入札を実施し、落札利回りは4.876%となった。前回は4.871%だった。
今回の30年国債入札は弱い結果となり、落札利回りが想定の4.871%を上回る4.876%となったことは、超長期の国債に対する需要の弱さを示す。市場が政府に30年資金を貸し付けるために、より大きい上乗せ利回り(期間が長いほど求められる追加の利回り)を求めていることを意味する。これはインフレが下がりにくいとの見方や、米連邦準備制度理事会(FRB:米国の中央銀行)が政策金利を高水準で長く維持するとの見方を反映している。
インフレと金利の見通し
この結果は直近の経済指標とも整合的だ。2026年3月のインフレ率は3.1%に上振れし、予想の2.9%を上回った。さらに先週金曜日の雇用統計では賃金の伸びが想定より強く、インフレ懸念を強めた。債券市場では、こうした状況を踏まえて将来の金利見通しが改めて織り直されている(将来の政策金利の想定が変わり、債券価格や利回りに反映されること)。
これを受け、利回り上昇に備えたポジションとして、米国債先物の売り(先物を売って、価格下落=利回り上昇で利益を狙う)を検討したい。具体的には、超長期国債先物のUltra T-Bond(/UB)が候補となる。リスクを限定したい場合は、長期債ETFのTLTなどに対するプットオプション(あらかじめ決めた価格で売る権利。下落に備える保険として使われる)の購入が有効だ。利回りが上昇して長期債価格が下落すれば、これらの戦略が利益につながる。
影響は株式市場にも波及しやすく、割引率(将来の利益を現在価値に換算する際に使う金利)が上がると評価が下がりやすい成長株やテクノロジー株に逆風となる。株式の買い持ちを抱える投資家は、ナスダック100のプット購入でヘッジ(損失を抑えるための対策)を行うことが考えられる。金利見通しの再上昇による株安局面に備えるクッションになる。