クリスタリナ・ゲオルギエワ氏は、インフレ予想が「アンカー(安定した基準)」から外れ、インフレスパイラル(物価上昇がさらなる物価上昇を呼ぶ連鎖)を引き起こすおそれがある場合、中央銀行は利上げを行うべきだと述べた。来週のIMF・世界銀行会合では、現在は停止している中東の戦争がもたらした衝撃への対応が焦点になるという。
同氏は、最も楽観的なシナリオでも、インフラ被害、供給網の混乱、信頼感の低下により成長見通しは下押しされると指摘した。供給ショック(供給側の減少による物価押し上げ)が、製油所の停止や製品不足によって経済全体に広がり続けるとも述べた。
IMFの支援と資金需要の増加
同氏は、IMFが既存の支援プログラムを通じて各国向け支援を拡大でき、追加のプログラムも計画していると述べた。戦争の波及(他国・他市場への影響)により、短期的なIMF支援の需要は200億〜500億ドルに増える可能性があるという。
また、食料不安(十分な食料を安定的に確保できない状態)に直面する人が4,500万人増え、飢餓状態の人は合計で3億6,000万人を超えたと述べた。戦争の衝撃で短期のインフレ予想は上昇している一方、長期のインフレ予想は変化していないという。
各国に対しては、世界の状況を悪化させる可能性がある輸出規制や価格統制を避けるよう求めた。財政赤字で賄う景気刺激策(政府支出を借金で増やす政策)は、金融政策(利上げ・利下げなど)への負担を増やすと述べた。