銅価格は、イラン戦争に関連する下落分をほぼ全て取り戻した。ファンド(投資資金)は売り越しとなり、株式などの「リスク資産」(景気や市場心理の悪化で売られやすい資産)は軟調だったにもかかわらずだ。TDセキュリティーズは、担保などに入っておらず自由に動かせる銅在庫(未拘束在庫)が不足しているとし、今回の局面では「買いだめ」がより長く続いていると指摘した。
同社は、イラン戦争後も商品(コモディティ)需要が底堅さを増していると述べた。現在の買いだめの動きを、ロシア・ウクライナ戦争など過去の地政学リスク局面で見られた行動と比較した。
TDセキュリティーズは、利用可能な銅在庫が「前例のないほど乏しい」状態にある背景として3点を挙げた。中国の国家備蓄局(SRB:国家が戦略目的で金属を買い入れ、放出も管理する組織)により消費に回らない形で保有されている金属、米国内で輸送・保管の都合などから動かしにくい金属、そして操業継続に必要な最低限の作業在庫を確保する必要性だ。
同社は、価格が高水準を保つ場合、CTA(商品投資で先物などを売買するシステム運用型のファンド)が今後1週間は銅を売りにくいと見込む。価格がさらに上昇すれば、自動売買による買いプログラムが最大規模の+13%まで積み上がる可能性があるという。
同社は、銅市場が「銅不足(供給が需要に追いつかない状態)」に向かっていると述べた。