米国の個人所得は2月に前月比0.1%減となった。市場予想は0.3%増だった。
結果は予想を0.4ポイント下回り、所得が1月から減少に転じたことを示す。
消費の強さへの影響
2月の個人所得が予想(0.3%増)に反して0.1%減となったことは、家計(個人・世帯)の体力に弱さが出始めた可能性を示す。所得の減少は、家計が使えるお金(可処分所得の源泉)が細ることを意味し、今後の消費支出が鈍れば、企業収益(会社の利益)の下押し要因になり得る。年初からの楽観的な見方と矛盾するため、見通しの修正が必要となる。
この所得指標は、先週の小売売上高(小売店の売上の合計)とも整合的だ。小売売上高も予想を下回り、0.4%減となった。さらに、コアCPI(食品とエネルギーを除いた消費者物価指数で、物価の基調をみる指標)の伸びが最新の数値で年率換算2.9%に鈍化したことから、市場の関心はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策(政策金利の引き上げ・引き下げ)に移っている。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatchツール(先物価格から利下げ確率を推計する指標)では、7月会合までに利下げが行われる確率が60%と表示され、1カ月前の35%から上昇した。
戦術的なポジショニングの検討
この局面は、所得の伸び鈍化が先行し、その後数週間で株式市場が5%調整(一定期間の下落)した2025年4〜6月期のパターンを想起させる。当時は「安全資産への逃避」(リスク回避で国債に資金が向かう動き)から利回り(債券の収益率)が低下し、米国債先物の買い持ち(ロング)が好成績だった。今回も同様の動きが起こり得るため、10年米国債先物(ZN、10年国債を対象とする先物契約)のロングは戦術的な選択肢となる。