BNYのボブ・サベージ氏によると、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)のアナ・ブレーマン総裁は、物価の基調(いわゆる「コア」)が加速し始めた場合、利上げの用意があると示した。燃料価格の上昇や中東情勢の緊迫化に伴う、物価上振れリスクにも言及した。
ブレーマン総裁は、コアインフレに持ち直しの兆しが出れば利上げで「断固として対応する」と述べた。政策担当者は、見出しの物価(総合指数)よりも、コアインフレ、賃金の伸び、インフレ期待(企業や家計が見込む将来の物価上昇率)をより重視しているという。
Rbnz Signals Readiness To Tighten
総裁は、インフレ率を目標レンジである1〜3%へ戻す方針を改めて強調した。短期的には成長が弱含む可能性がある一方、今年の景気は拡大が見込まれ、不確実性は高いままだとした。
RBNZは、コアインフレが加速する場合に断固対応する姿勢を示し、利上げの可能性が再び浮上した。2026年1〜3月期のコアインフレが前期比0.9%という最近のデータは、年率換算で目標レンジを大きく上回り得る水準であり、この警戒感に現実味を与える。中東情勢の緊迫化でブレント原油が1バレル95ドル近辺にとどまる状況が背景にあり、様子見の中央銀行が多い中で、RBNZの姿勢は引き締め寄り(利上げに前向き)へ傾いている。
そのため、金利上昇が資金流入を呼びやすい点を踏まえると、ニュージーランドドル高を想定した構えも検討に値する。NZドルは対米ドルで0.6350近辺へすでに上昇しており、コールオプション(将来、決められた価格で買う権利)を使えば0.6500方向の上振れを狙う方法になる。ただし、世界的なリスク心理の悪化は、資源国通貨への買いを鈍らせ得る点に注意が必要だ。
利回り上昇の示唆は、金利カーブ(年限ごとの金利の並び)の短期ゾーンにも目を向けるべきことを意味する。ニュージーランド国債2年利回りはすでに5.10%を上回っており、金利スワップ(固定金利と変動金利を交換する取引)で金利上昇に備える、または国債先物を売ることで金利上昇(=債券価格下落)に賭ける戦略が現実的だ。市場が第3四半期末までに少なくとも1回の利上げを織り込む展開を想定している。
Volatility Strategies And Event Risk
不確実性が高い状況では、値動きの拡大(ボラティリティ上昇)で利益を狙うオプション戦略が有効になる。NZD/USDや金利先物でストラドル(同じ権利行使価格・満期のコールとプットを同時に買い、大きな上下変動で収益化を狙う)を買えば、どちらの方向への大きな動きでも利益を狙える。強い発言はしているものの、まだ利上げに踏み切っていない中央銀行への実務的な対応といえる。
この姿勢は、RBNZが待機姿勢を続けた2025年の大半の政策運営とは大きく異なる。焦点は物価の上振れリスクに移っており、5月の政策会合は重要なイベントとなる。RBNZが主要中銀の中でいち早く利上げ局面へ戻る可能性を市場が消化するにつれ、ボラティリティは高まりやすい。