銀(XAG/USD)は木曜のアジア時間に下落し、前日に週間高値から小幅に反落した流れを引き継いだ。価格は73ドル台半ばをやや下回る水準で推移し、日中で2.0%安となった。
値動きは、4時間足チャートの「200期間指数平滑移動平均線(EMA:直近の価格をより重視して平均を計算する移動平均線)」付近で上値が抑えられた。さらに、3月の下落幅に対する「38.2%フィボナッチ戻し(フィボナッチ比率を使い、下落分のどこまで戻したかを示す目安)」も下回った。
Momentum Signals Turning Lower
「RSI(相対力指数:買われ過ぎ・売られ過ぎを0〜100で示す指標)」は48.18で、中立圏に近い。「MACD(移動平均収束拡散法:2本の移動平均の差で勢いを測る指標)」はわずかにゼロを下回り、「ヒストグラム(MACDの勢いの強弱を棒で示す部分)」も弱含んだ。
上値抵抗は38.2%フィボナッチの74.53ドル。次の抵抗は200期間EMAの76.76ドルで、その先に50.0%戻しの78.68ドルが位置する。
下値では、23.6%フィボナッチの69.41ドルが初期の支持帯。さらに下では、サイクル安値(直近の大きな流れでの最安値)の61.12ドル付近が意識される。
Macro Drivers And Trade Positioning
足元の銀の弱さを踏まえると、上昇の勢いは鈍っている。200期間移動平均線を上抜けできなかったことは、現時点で売り手が優位であることを示す。この形状は、目先の続落リスクを示唆する。
この見方を補強するのが、最新の2026年3月のインフレ指標で、結果は3.1%と予想をやや上回り、「FRB(米連邦準備制度理事会)」の早期利下げ観測が後退した点だ。一般にドル高は貴金属の重しになりやすく、「DXY(ドル指数:主要通貨に対するドルの強さを示す指数)」はその後、3カ月ぶり高値の106.50まで上昇した。こうしたマクロ要因が、チャート上の弱さを支えている。
今後数週間の対応としては、69.41ドルの支持帯への下押しを見込み、「プットオプション(あらかじめ決めた価格で売る権利)」の購入で下落局面を狙う手段がある。別案として、74.53ドル付近を上限に「コール・クレジット・スプレッド(コールを売り、より高い行使価格のコールを買って損失を限定する戦略)」を組み、横ばい〜下落で利益を狙う方法も考えられる。また、74.53ドル近辺で先物を売り建てる場合は、損失が膨らまないよう事前に許容損失を明確にすることが重要となる。
加えて、製造業の減速も意識される。中国の2026年3月の「財新製造業PMI(購買担当者景気指数:50を上回ると拡大、下回ると縮小の目安)」は49.8へ低下し、わずかな縮小を示した。太陽光発電やEV向けなど銀の工業需要は中長期の材料だが、短期的な生産活動の鈍化は価格の支えを弱め得る。弱気が強まれば、61.12ドルのサイクル安値といった下値の節目を試す展開もあり得る。