USD/INR(米ドル/インドルピー)はこのところ急落した。インド準備銀行(RBI、中央銀行)が投機(短期の値動きを狙う取引)を抑え、取引条件を厳しくする措置を導入したためだ。これにより、市場が米ドルの大きな買い持ち(ロング、米ドル高を見込む建玉)を積み上げにくくなった。
措置の一つは、銀行のINR(インドルピー)に関する外国為替の「ネット・オープン・ポジション(未決済の持ち高の差し引き残高)」を1億ドルに引き下げるもの。4月10日に発効する。銀行は米ドル買い(ルピー売り)の持ち高を減らす必要があり、ルピーの下支えになる。
RBI Steps Tighten Market Positioning
INRのNDF(Non-Deliverable Forward=差金決済型の先物・フォワード取引。現物の通貨を受け渡さず、差額のみを精算する取引)への制限も、米ドルの買い持ちを作る手段を狭める。これらの措置は投機的な需要を縮小させ、持ち高の見直し(ポジション調整)を促す。
USD/INRの上昇の勢いは弱まり、当面は方向感の乏しい推移(もみ合い)が想定される。イランを巡る緊張が和らげば、USD/INRは一段安となる可能性がある。
この記事はAI(人工知能)ツールの支援で作成され、編集者が確認したと記されている。
2025年4月、RBIの対応で投機が急減し、米ドルの買い持ちの調整が進んだ。これは、ルピーの過度な変動を抑える姿勢を示した例といえる。USD/INRは足元で84.50水準を試しており、ルピーには改めて下押し圧力がかかっている。
Strong Reserves Support Active Defense
RBIの市場介入(為替市場で通貨を売買し、相場の急変を抑える行動)余力は大きい。外貨準備(外貨資産の保有高)は過去最高の6,550億ドル超まで積み上がった。これだけの資金があれば、ルピーの無秩序な下落を防ぐために、市場へ米ドルを供給(売却)する可能性が高い。現物市場では84.75〜85.00のレンジを防衛するとみる。
基礎的要因では、日米の金利差(2国間の政策金利などの差)がルピーに有利だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が直近で0.25%(25bp、ベーシスポイント=金利の単位で0.01%)の利下げを実施した一方、RBIはインフレ対応のため政策金利(レポ金利)を6.5%で据え置いている。金利差を狙う取引(キャリートレード:金利の高い通貨を買い、低い通貨を売る戦略)としての魅力は残り、資金流入の支えになり得る。
一方、世界的なエネルギー価格の高止まりは逆風だ。ブレント原油は1バレル90ドルを上回って推移している。インドは原油の輸入依存度が高く、価格が高いままだと貿易収支を悪化させ、輸入物価の上昇(輸入インフレ)につながる。短期のルピー買いでは主要なリスクとなる。
RBIが急激なUSD/INR上昇を抑える姿勢を示してきたこと、金利環境がルピーに有利なことを踏まえると、USD/INRの急騰は限定的になりやすい。84.75付近への上昇は、USD/INR先物の売り、またはアウト・オブ・ザ・マネー(権利行使価格が現在の相場から離れている)コールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を売る機会とみる手もある。中央銀行が上値を抑えることを前提にした戦略だ。