イランのファルス通信は水曜日、ロイター通信を引用し、イスラエルが停戦合意に違反したことを受け、ホルムズ海峡を航行する石油タンカーが停止させられたと報じた。
イランのタスニム通信は匿名の情報源を引用し、レバノンへの攻撃が続く場合、イランは停戦合意から離脱すると伝えた。また、レバノンを含む全方面での戦闘終結が、米国との2週間の停戦合意に含まれていたとしている。
Market Snapshot
米ドル(USD)指数は、4週間ぶり安値の98.50近辺から小幅に持ち直した。報道時点で指数は前日比0.72%安の98.80。
ホルムズ海峡を巡る事態の進展を踏まえると、原油価格の変動(値動き)の急拡大が見込まれる。今後数週間のブレント原油およびWTI原油の先物(将来の価格で売買する契約)に対するコールオプション(あらかじめ決めた価格で買う権利)への関心が高まっている。海峡の封鎖が長引けば、供給ショック(供給が急に減り価格が跳ね上がる状況)につながり得るためだ。世界の原油消費の約2割が日々同海峡を通過しており、急騰リスクは大きい。地域の緊張が高まった2019年のような局面が再来する可能性がある。
今回の地政学リスクの再燃は、市場全体の下落に備える必要性を示す。S&P500など主要株価指数に対するプットオプション(あらかじめ決めた価格で売る権利)の購入を検討したい。エネルギーコスト上昇と紛争リスクは投資家心理を冷やしやすい。過去には、1973年のような急な原油高が、株式の弱気相場(長期的な下落局面)に先行した例がある。
安全資産への資金移動が起きやすく、金(ゴールド)や米国債先物(米国の国債を対象にした先物)に対するコールオプションが魅力的な選択肢となる。中東情勢の不安定化局面では金が上昇しやすい。2022年初の不安定化の局面では、資金が安全資産に向かい国債利回り(債券の利率)が急低下した。これは、利回り低下と債券価格上昇に備える必要があることを示唆する。
Volatility And Currency Positioning
この不確実性を取引する最も直接的な方法は、ボラティリティ(価格変動の大きさ)そのものだ。VIX指数(S&P500の予想変動を示す「恐怖指数」)のコールオプション購入は妥当とみる。紛争が拡大しタンカーの通航停止が続けば、VIXは急上昇しやすい。2008年や2020年の危機ではVIXが80を超えて急騰しており、不確実性局面での変動率へのポジションが利益につながり得ることを示している。