イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は水曜日、イランはホルムズ海峡を先回りして管理し、巧みに支配すると表明した。ロイターによると、米国またはイスラエルが攻撃を再開した場合、より強い対応を取るとも警告した。
IRGCはまた、レバノン、パレスチナ、イエメン、イラクの「抵抗勢力」(武装組織や民兵組織を指す)への支援を継続するとした。ただし、時期や具体的な行動には触れていない。
ホルムズ海峡をめぐる市場環境
市場の値動きとしては、今回の報道が投資家心理(センチメント)を明確に変えたとは言いにくい。公表時点で、米ドル指数(主要通貨に対するドルの強さを示す指数)は日中で約1%下落し、98.55だった。
ホルムズ海峡の管理をめぐる同様の発言は昨年にもあり、市場は当初これを重視しなかった。ただ、同海峡を通過する原油は1日あたり約2,100万バレルで、世界消費の2割超に相当する。供給網の混乱(物流や輸送が止まり供給が減ること)リスクは無視できず、この脆弱性はエネルギー市場の重要要因であり続けている。
足元の北海ブレント原油は1バレル=86ドル前後で推移し、CBOE原油ボラティリティ指数(OVX、原油価格の先行きの変動の大きさ=ボラティリティを示す指数)は、約半年ぶりの低水準に近い32付近で推移している。これは、市場が「安心しすぎている」(リスクを小さく見積もっている)可能性を示し、突発的な供給ショック(供給が急減して価格が急騰する事態)を軽視している恐れがある。2019年のタンカー襲撃の前にも似た落ち着きがあり、その後、原油価格は1日で15%急騰した。
予想変動率(インプライド・ボラティリティ=オプション価格から逆算される市場の想定変動幅)が低い局面では、今後2〜3カ月で満期を迎えるWTIまたはブレント先物のコールオプション(一定価格で買う権利)を買う戦略が合理的だ。支払うプレミアム(オプション代金)以上の損失が原則として発生しない一方、地政学リスクが高まれば上昇余地が大きい。特にアウト・オブ・ザ・マネー(現時点の価格より高い行使価格で、いまは利益が出ていない状態)のコールは、比較的低コストでイベントに備えやすい。
より広い範囲の変動対策
原油に限らず、市場全体の変動への備えにも機会がある。VIX指数(米国株式市場の予想変動率を示し、「恐怖指数」とも呼ばれる)は現在14程度と低めで、過去の地政学危機時の水準を下回っている。VIXのコールオプションを買うことは、リスク回避(安全資産志向が強まる動き)で広く市場が下落する局面に備える、ポートフォリオの有効なヘッジ(損失を抑える手段)となり得る。