米・イラン停戦報道を受けて人民元が上昇、予想を上回る アナリストは6.70~7.05のレンジを見込む

    by VT Markets
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    Apr 9, 2026

    米国とイランの停戦報道を受けて中国人民元は上昇し、USD/CNY(米ドル/人民元)の予想レンジは従来の6.85〜7.25から6.70〜7.05へ引き下げられた。年末のUSD/CNY予想も6.75へ下方修正された。

    2026年の年初来で、オンショア人民元(中国本土で取引される人民元)は対米ドルで2.3%上昇し、アジア通貨の大半を上回った。イラン戦争の開始以降、追跡している通貨バスケットの中で、米ドルに対して上昇したのはCNY(オンショア人民元)とCNH(オフショア人民元=香港など域外で取引される人民元)のみだった。

    政策シグナルと人民元高

    当局はPBoC(中国人民銀行)が毎日公表する「基準値(フィキシング)」を通じて、人民元高をこれまでより許容している。3月から4月上旬にかけて、(基準値を裁量で調整する仕組みである)「逆周期要素」はほぼ中立となった。さらに、外貨建て取引にかかる「外為リスク準備率」(外貨関連の取引に対して銀行に積み増しを求める預け金の比率)は20%から0%へ引き下げられ、市場が見込んでいたPBoCの利下げ時期も2026年4〜6月期から2026年後半へ先送りされた。

    米中2年物の「金利差(利回り差)」は2025年2月以来の高水準まで拡大したが、人民元の下落は小幅にとどまった。CFETS人民元指数(複数通貨に対する人民元の総合的な強さを示す指数)は、戦争開始以降で2.3%上昇、年初来で2.9%上昇した。構成比率にはユーロ(17.9%)、米ドル(18.3%)、ウォン(8.5%)、円(8.1%)などが含まれる。

    ホルムズ海峡の「通航料金」構想では、支払いをCNYまたは暗号資産(インターネット上で移転できるデジタル資産)で行う案が議論された。1日100隻(年3.6万隻)、手数料200万ドルとすると合計は720億ドル(約4,910億元)となる。中国の人民元決済ネットワークであるCIPS(クロスボーダー銀行間決済システム)は、2025年に約180兆元を処理した。

    取引面の示唆とポジション

    人民元は今年、対米ドルで上位のパフォーマンスとなっており、4月上旬時点の年初来上昇率は2.3%超。直近の中東情勢の悪化局面で下落したアジア通貨が多い中で、相対的に強かった。2026年1〜3月期の中国の輸出統計は前年比+7%となり、経常黒字(貿易などを含む対外収支の黒字)を支え、通貨の基礎的な強さ(ファンダメンタルズ)を補強している。

    北京の当局はこの人民元高を容認しているように見える。PBoCの毎日の基準値は、3月から4月上旬にかけて概ね中立で、USD/CNYの下落(=人民元高)を積極的に止めない姿勢を示している。この容認は、紛争で上昇した資源輸入コスト(コモディティ価格上昇)を抑える狙いの可能性がある。

    デリバティブ(先物・オプションなどの派生商品)取引の観点では、人民元高に備えるポジションが中心戦略になり得る。米中2年金利差は先月、2025年2月以来の高水準まで広がったが、人民元安にはつながらなかった。停戦報道を受けてFRB(米連邦準備制度理事会)の「利下げを急がない姿勢」が弱まるとの見方が出れば、金利差は縮小しやすく、人民元の重しが一つ外れる。

    年末予想を6.75とみるなら、トレーダーはUSD/CNYのプットオプション(将来、あらかじめ決めた価格で米ドルを売る権利)を、6.80または6.75付近の行使価格(権利を行使できる価格)で、満期を第3四半期に置いて検討できる。下落トレンドを狙いつつ損失を限定でき、コスト効率も高い。停戦発表後はボラティリティ(価格変動の大きさ)が低下しており、オプションの価格形成上、相対的に条件が良くなっている。

    もっとも、停戦が長期化してリスクが後退すれば、人民元がすべての通貨を上回るとは限らない。紛争で大きく売られた韓国ウォンやユーロは、対米ドルで反発が大きくなる可能性がある。このため、これら通貨に対して人民元買いを積み上げるには慎重さが必要で、相対取引(2通貨の強弱に賭ける取引)として、ユーロ買い/人民元売り(EUR/CNYロング=ユーロ高・人民元安方向)を検討する余地もある。

    注目点は中国の輸出企業の動きだ。2025年以降、米金利が高いことを背景に、企業が海外(オフショア)で米ドルを多く保有してきた。先月のデータでは、企業の外貨売り・人民元買いにあたる「外貨受払い(外貨決済)」の増加が示唆されている。USD/CNYが持続的に下がれば、海外に滞留していた米ドルが国内に戻る動きが加速し、人民元の買い需要(積み上がっていた需要)が一段と強まる可能性がある。

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