EUR/USDは1.1500近辺から1.1700前後まで上昇し、欧州時間はその水準付近で推移した。背景には、イランで2週間の停戦が実現したことがある。市場のリスク選好(リスクを取りに行く姿勢)が強まり、安全資産とされる米ドルが水曜日に下落した。
ワシントンとテヘランの停戦合意には、ホルムズ海峡の一時的な再開(通航の正常化)が含まれていた。期限は米東部時間の火曜日午後8時(日本時間水曜日午前0時)に設定されていた。
欧州の経済指標と市場の反応
ドイツでは、2月の製造業受注(工場への新規注文)が前月比+0.9%となり、1月の-11.1%から反発した。ただし、市場予想の+2%には届かなかった。生産者物価(企業が出荷段階で受け取る価格の動き)は低下し、小売売上高も予想どおり減少した。
米国では、この後、米連邦準備制度理事会(FRB)の3月会合の議事要旨(FOMC議事要旨:政策決定会合の詳細な記録)と、メアリー・デイリー氏、クリストファー・ウォラー氏の講演が注目される。これらは金曜日発表の消費者物価指数(CPI:消費者が購入する品目の価格の変化を示す指標)と合わせて評価される見通し。
テクニカル面では、EUR/USDは上昇トレンドを維持している。RSI(相対力指数:買われすぎ・売られすぎを測る指標)は買われすぎ圏にあり、MACD(移動平均収束拡散法:トレンドの強さや転換をみる指標)もなお強含みだ。上値抵抗は1.1700のすぐ上で、さらに上は1.1740、1.1825が意識される。
下値支持は1.1670近辺、その下は1.1630〜1.1640、さらに下は1.1525。FOMC議事要旨は通常、決定から約3週間後に公表され、市場は利下げ・利上げの手掛かりとして投票の割れ方(賛否の構成)も注視する。
昨年の振り返り
昨年、2025年4月のこの時期、イラン停戦の報道を受けてEUR/USDが一時1.1700に達したことがあった。この上昇は、市場心理の改善によって安全資産の米ドルが売られたことによるもので、リスク選好の変化が主因だった。