停戦は期限直前に発表された。協議は金曜日にイスラマバードで始まる見通しだが、公式には確認されていない。ホルムズ海峡は開かれており船舶は通過している。ただし、イラン軍(武装勢力)との連携が必要だ。
発表前、VIX(株価変動の大きさを示す指数で「恐怖指数」とも呼ばれる)は午後3時に28まで上昇した後、8%下落して25.50で終了した。それでも当日は6%高だった。米株指数はまちまちで引けた。ダウは-85ポイント、S&Pは+5、ナスダックは+21、ラッセルは+4、輸送株(Transports)は+242(+1.3%)、S&P均等ウェート(大型株偏重を避け、各銘柄を同じ比率で計算する指数)は-20。「マグニフィセント7(超大型テック7社)」は-37となった。
Market Reaction Snapshot
アジア市場は上昇した。韓国+6.8%、日本+5.4%、台湾+4.6%、香港+3.1%、中国+3.5%、豪州+2.6%。欧州は午前6時時点で、フランス、ドイツ、ユーロ・ストックス(欧州株の代表指数)が+4.3%、イタリア+3.3%、スペイン+3%、英国+2.4%。
米株先物は上昇。ダウ+2.5%、S&P+2.6%、ナスダック+3.8%、ラッセル+3.7%。原油は下落し、WTI(米国の代表的な原油価格指標)は15.6%安の95.30ドル、ブレント(欧州の代表指標)は13%安の95ドル。秋以降の原油先物は70ドル台前半を織り込んでいた。
米国債利回りは低下。10年債は4.24%(5bp低下)、30年債は4.84%(3bp低下)。bp(ベーシスポイント)は金利の単位で、1bp=0.01%を指す。金は上昇し、前日の+1.2%に続き+1.7%。4,790ドルで取引され、82ドル高。VIXは20%低下し、22.30を下回って19.60方向へ動いた。
経済指標は住宅ローン申請件数と、3月FOMC議事要旨だった。FOMC(米連邦公開市場委員会)は米国の金融政策を決める会合。S&Pは6,616で引け、先物は180ポイント高を示唆。言及されていた水準は6,644、6,771、6,804で、3%上昇すれば3本のトレンドライン(価格の流れを示す線)をすべて上抜けるとされた。
Lessons From The 2025 Ceasefire
VIXは足元で14.5付近にあり、2025年に危機が最も強まった局面で28まで急上昇した時とは大きく違う。これは、オプション(将来の一定期間に、決められた価格で売買できる権利)の価格が相対的に安く、市場が警戒を弱めている可能性を示す。トレーダーにとっては、SPY(S&P500に連動するETF)でプット(下落に備える売る権利)を買うなど、長めの期間の保険を割安で用意しやすい局面だ。割安かどうかは、当時のパニック時のコストと比べた相対評価である。
原油も状況が異なり、WTIは足元で1バレル82ドル近辺で推移している。昨年、ホルムズ海峡の再開後に、朝のうちに110ドル超から95ドルまで急落した局面とは対照的だ。地政学リスクの上乗せ(地政学プレミアム)が薄れ、価格が落ち着くなら、エネルギー株やXLE(エネルギー株ETF)でカバード・コール(保有株に対してコールを売り、オプション料を収益化する手法)を使い、収益を狙う選択肢がある。
2025年の「安心感による上昇(リリーフ・ラリー)」は、想定通りテックや小型株などの高ベータ(市場全体より値動きが大きい)セクターが主導した。ナスダック100は停戦当日から22%超上昇し、下落局面で買った投資家は報われた。現在はインプライド・ボラティリティ(市場が見込む将来の変動率)が低く、QQQ(ナスダック100連動ETF)などのコール・オプション(上昇で利益を狙う買う権利)を使う方が、現物株をそのまま買うより必要資金を抑えて上昇に備えやすい。
金の動きも確認された。恐怖ではなく、債券利回り低下を受けて上昇した面が大きい。10年国債利回りは現在4.15%前後で安定しており、当時見られた4.24%からは低い水準にある。価格の急変が落ち着くなら、GLD(金ETF)でレンジ相場(一定の値幅で上下する相場)に適したオプション戦略が機能しやすい可能性がある。レンジ向きの例としては、一定範囲での推移を前提にオプション料を得る売り戦略などがあるが、損失が膨らむ場合もある。
2025年の教訓は、心理が急速に変わり、緊張緩和が相場上昇の引き金になり得る点だ。足元の低ボラティリティ(変動の小ささ)は当然視できず、取引の組み立てに有利な時間帯でもある。昨年のように市場は急変し得るため、警戒は続ける必要がある。