日本の国際収支ベースの貿易収支は2月に2兆7090億円となり、前月の3兆1450億円から減少した。
前月比では4360億円の縮小。ここでいう「国際収支ベースの貿易収支」とは、国の対外取引をまとめる国際収支統計(BOP)で集計した輸出入差額(輸出-輸入)を指す。
貿易黒字の縮小と円の見通し
2月の貿易黒字が3兆1450億円から2兆7090億円へ縮小したことは、円安圧力につながり得る。黒字が小さくなると、輸出代金などで海外から入る外貨が減り、円を買う需要(円需要)が弱まりやすいためだ。今後数週間の円相場は下向き(円安方向)を警戒したい。
この結果は、米ドル/円(USD/JPY)が上がりやすい(円安・ドル高)との見方を補強する。日銀が緩和的な金融政策(低金利を保ち、資金を出しやすくする姿勢)を維持する一方、米国の金利が高い状態が続けば、金利差が意識されやすい。こうした金融政策の方向性の違い(政策の差)がドル優位要因となる。
円安局面では、日本企業の利益が押し上げられやすい。とくに日経225に含まれる大手輸出企業は、円安で海外売上の円換算額が増えやすい傾向がある。
足元では、原油価格が1バレル=90ドル超の水準で推移しており、日本の輸入額(輸入にかかる支払い)を押し上げて黒字縮小に影響した可能性がある。輸入コスト増は貿易収支を悪化させやすく、円の重しになりやすい。ただし、黒字縮小が「世界的な需要減速(景気の弱さ)」による輸出不振を主因とする場合、日本株にはマイナスになり得る点には注意が必要だ。